ECS K7S6A

メーカー : ECS
価格 : オープンプライス
URL : http://www.ecs.com.tw/

概要。
今回取り上げるマザーボードは、今も高い人気を維持し続けているK7S5Aの後継としてリリースされました。 搭載されているチップセット(セットといってもシングルですが)はSiS745、K7S5Aに搭載されているSiS735との主な違いは
・DDR333(PC2700)に対応
となっています。実はこれ以外にもチップセットレベルで新たにIEEE1394(3ポート)をサポート、という違いがあるのですが、 今回のマザーではそのIEEE1394やK7S5Aには存在したLAN機能も省略されていて、SDRAMのサポートもうち切られたことを含め、多機能という側面に対する省略が目立ちます。
     
(左の写真): 今回のマザーで新たに加わった機能としては、このCPUの倍率変更機能が挙げられます。ジャンパ式であるという ことと、場所的にCPUクーラーを取り付けた後に操作しにくいことなどから、有用性は今ひとつのように感じます。 Athlon1.2GHz(L1クローズ)などで正常に動作することを確認しました。
(中央の写真): DDRのみのサポートになったためか、マザーの横幅が数cm短くなっています。なお、目玉のPC2700については「2枚までサポート」という限定があります。
(右の写真): フロントパネル接続用のコネクタが「PANEL」と「LPANEL」の2つがありますが、「LPANEL」の方の「PWR LED」は どうも2色LED用のようです。よって一般的なPOWER(ATX) LEDを接続する場合は「PANEL」の方の「MSG LED」を用います。

対 K7S5A。
今回のマザーに対する読者の方からのご要望のほとんどが、「K7S5Aと比較してどうか?」というものですので、 ずばりK7S5Aと比較してみようと思います。なお、ほぼ同じ環境を用いて取得した他チップセットのデータもこちらでご覧になれます(K7S5Aのデータは一部そちらからの抜粋含みます)。合わせてご参照ください。
テスト環境 : Athlon XP 2000+ / 256MB DDR-SDRAM(PC2100/CL=2) / GeForce3 / W2KSP2(DX 8.1)
メモリ性能 : SiSoft Sandra 2002 / Memory Bandwidth
 
アプリケーション系 : SUPER PI 104万桁 / 午後べんち Ver.2.39
K7S5A (SiS735) K7S6A (SiS745)
1分15秒 1分11秒
 
ここまでの僅かな性能差はむしろ、K7S5Aの「132.77MHz」に対しK7S6Aが「133.90MHz」という、FSBの違いによって生まれた可能性が高いです。
AGP/3D系 : MadOnion 3DMark 2000 v1.1/2002 / Quake III Arena timedemo
 
 
これらの結果から、ベンチマーク的な性能差はともかく、体感出来るような性能差はほとんど(まったく)無いと言ってよさそうです。それではまったく違いがなかったかというとそういう訳でもなく、例えば、
セカンダリIDEとAGPスロットの間隔が広がり、ゆとりが出来た。
CNRが一番下に移動してAGPの位置が上がった関係でスロット周辺にゆとりが出来ていて、K7S5AではGeForce 3などの大きなカードを使用するとケーブルと接触しそうになっていましたが、今回のマザーではそれが大分改善されています。
FDDコネクタがさらに遠くなった。
何故かマザーの一番下の位置に移動しているので、一般的なATXケースではFDDケーブルがベイを縦断することになりそうです。
パワーセービング系が有効になった(S1/S3設定が可能になった)。
サスペンドを利用される方にとっては非常に大きいのではないでしょうか?STR(Suspend to RAM)設定が可能になるとともに、サスペンド時にファンが止まるようになっています。
BIOSがAMIからAWARDになった。
結果、以前よりもさらに設定可能な項目が増えています。
などが挙げられます。

まとめ。
以上より、今回のマザーは良くも悪くも一般的なマザーに収まっている、という結論に達します。 LANなどの付加機能を持たないため、前作ほどの圧倒的なコストパフォーマンスはありませんが、マザー全体で見ればかなり安価な部類に収まっていますので、新規導入用としては十分検討する価値があると思います。
あとはVIAが好きか、SiSが好きか、ではないでしょうか…。

SiS745のDDR333(PC2700)。
肝心のPC2700環境の性能検証は?と思われた方も多いと思います。実はその環境を用意して計測してみたところ、メモリ周りのベンチマークを除きPC2100との差はほとんど現れませんでした。
その要因としては、Athlon XPの帯域幅(2.1G)に対してPC2100(2.1G)で十分だから、ということが最も大きいとは思いますが、その他にもSiSチップセットのシステムバスとメモリクロックが非同期な環境における性能も影響しているのでは?と感じています。というのも、Athlon用に限らずSiSチップセットは、
メモリ性能 : SiSoft Sandra 2002 / Memory Bandwidth
 
といった具合に非同期時のメモリ性能が今ひとつだったりするからです。この事も含め、PC2700はやはりCPU側がサポートして初めて本領発揮、ということを改めて感じた次第です。


Posted by dospara_review at 17:00Comments(0)TrackBack(0)マザーボード │2002年03月28日
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