▼ 概要。
IBMの120GXPモデルの登場により、各社7200rpmモデルにおいて40GBプラッタへの移行が完了しました。各社の7200rpm/40GBプラッタ製品にはキャッシュ容量等スペック面での大きな違いはなく、スペックシートを見比べてようやく微妙に異なる点を見つけられる程度です。ただしMaxtorのドライブに限り、独自に提唱したものを含めいくつかの新規格に対応しています。まずはそれらを簡単にご紹介します。
・ Big Drive
従来のATA規格では1ドライブあたりの容量が137GBに制限されていて、それ以上の容量を実現するにはRAID(-0)を組む必要がありましたが、Big Driveはその制限を取り外し(最大144PB)ます。
対応環境はPromise Ultra133TX2/FastTrakTX2000やIAA適用後のIntel i845/i850(/i815E?)などです。
・ Fast Drive ( = ATA133)
従来のATA100に対して理論値で約33%性能が向上するという規格ですが、現時点でIntelチップセットにおいて将来的にもサポートされないことになっているのがネックです。また、ATA66からATA100の際等と比べると向上率も低くなっています。
対応環境はPromise Ultra133TX2/FastTrakTX2000やALi MAGiK1(C-Step)などです。
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SEAGATEのATAIVと異なり、Quantum系のデザインであることを除けば表面にも特徴といえるものはありません。
流体軸受の採用により低減が期待された回転音については、確かに少なくなっているもののATAIVと比較するとキーンという高い音が聞こえます。また、アクセス音は従来通り少し大きめです。
しかし発熱については、各社7200rpmモデルの中でかなり小さい方で(ドライブ全体がほんのり温かくなる)、これはメリットの1つと言えそうです。
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ATA133対応ということで、対応していないインターフェースに接続した場合に正しく認識される(ATA5)かが気になるところですが、これについては試した限り問題ありませんでした。ただ更なる安心感のためにも、Maxtorには従来のATA100用として公開されているATA33/66/100切り替えツールのようなものの公開を希望します。
▼ ベンチマークテスト。
今回はベンチマークが非常に多くなっています。まずこのページではi815Eに接続した場合のスコア、そして次ページではUltra133TX2に接続した場合のスコアをご紹介します。
比較対照として、現行HDDのベストセラー、SEAGATEの「Baraccuda ATA IV 40GB」を用意しました。また、テスト環境は過去に7200rpm-HDDを取り上げた回と同一になっています。
テスト環境 : Pentium III 1.13GHz / 256MB(PC133) / GA-6OXET / GeForce 3 / Win98SE / 2000SP2
・ HDBench v3.30 - E:\ 1000MB
全てが40000オーバーしたのを驚いたのもつかの間、技術の進歩はとどまるところを知らず、というところでしょうか?
・ SiSoft Sandra2001te - E:\
こちらもBuffered系でD740X有利、Sequentialではほぼ変わらず(もしくは僅かにD740Xが劣る)、という傾向が出ています。
・ Ziff Davis Media WinBench 99 - Disk WinMarks / Disk Inspection
・ High-End WinMark Details
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AVS/ Express 3.4 |
FrontPage 98 |
Micro Station SE |
Photoshop 4.0 |
Premiere 4.2 |
Sound Forge 4.0 |
Visual C++ 5.0 |
D740X |
12800 |
113000 |
22800 |
13100 |
25300 |
34100% |
30800 |
ATA IV |
12400 |
119000 |
24700 |
12100% |
24200 |
38500 |
31300 |
Sequentialにおいて僅かながら差が出る理由がわかる結果となっています。
▼ ユーティリティ、他。
2002.01.07 Update :
読者の方からMaxtorのサイトにて公開されている静音化ツール、「AMSET.EXE」に関するお問い合わせをいただきました。実行してみると、「/fast(高速)」モードになっていました。
早速「/quiet(静音)」モードにしてみましたが、音の違いはまったく体感出来ませんでした。またベンチマークもSandra 2001teの「Sequential Write」を除き(40から32に低下)、まったく変化がありませんでした。さらに「/off(無効)」にしてみたところ、音、ベンチマークとも初期状態とまったく同じでした。
よって残念ながら(?)、今回のドライブは初期出荷状態での使用が最適かと思われます。なお、書き込み検査の設定を変更可能な「WVSET.EXE」の方は、D740Xにまだ完全に対応出来ていない模様です。
▼ ここまでのまとめ。
以上より、静音性という面ではATA IVに一歩劣るものの、性能面では同等かそれ以上のスコアをATA100環境においても発揮することがわかりました。それではATA133の環境ではそれがどのように変化(向上)するか?次回「Promise Ultra133TX2」を中心にした更新をお待ちください。
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