MAXTOR 5T040H4
▼ 概要。 Maxtorというと、最近では単体で80GBを超える容量を持つHDDを出荷していることで有名です。どこよりも早くそんなHDDをリリース出来るということはそれだけ技術力が高いことを意味しています。 今回取り上げるHDDは、そんなMaxtorがリリースした7200rpm/20GBプラッタ製品、「DiamondMaxPlus60」シリーズの40GBモデルです。 ここで各社の最新HDDのスペックを40GBクラスで一覧にまとめてみようと思います。
このうちFujitsuとSegateの40GBモデルは現時点ではまだ見かけたことがありません。IBMは唯一の15GBプラッタとなっています。 ▼ Maxtor ならではの利点。 上記表のように、現状では各社製HDDの性能にスペックレベルでの差がほとんど無くなっています。そんな状況で「Maxtor」ならでは、ということになるとやはり「標準で静音化されている」ことではないでしょうか。 HDDの設定を変更することにより静音化を図るという類のツールはIBMからもリリースされていて、その方法と効果については以前にご紹介しましたが、いくらその効果が高いといっても、自己責任となる設定作業はやはり怖いものがあります。 もちろん少しでも高速な状態で使いたい方の為に、静音化設定を変更出来るツールが公開されています。 使用してみた結果、今回調べたモデルは工場出荷時には「Acoustic Management」オンのFastest設定になっていました(「AMSET /fast」と同等)。出来るだけ高速性を維持した静音化ということのようです。 よって「AMSET /quiet」と設定すればさらに静音化するということになります。設定を変更してみると、実際にさらに静かになりました。 設定に伴う性能への影響については、この後のベンチマークにて調べることにします。 ▼ ベンチマーク。 テスト環境 : Pentium III 667MHz / 256MB SDRAM(PC-133) / ASUSTeK CUSL2 AMSETによる設定の変更はランダムアクセスの時に顕著に影響します。 ■ HDTach 2.61 [URL]
さすがに「/quiet」設定にすると数値が落ち込みますが、標準の状態では「/off」設定と比べてもほとんど差がないことがわかります。 以下はWrite/Readベンチマーク結果です。比較をされる際はこちらも参照下さい。 ■ SiSoft Sandra Standard 2001 - Drives BenchMark [URL]
■ HDBench v3.22 [URL] - HDD 1000MB
以上の結果より今回のHDDは、7200RPM/20GBプラッタ製品としてDTLAシリーズと同等クラス以上の性能を発揮しつつ、静音化を図れるHDDと言えそうです。 ▼ まとめ - 運用性重視。 上記ベンチマークテスト中やスキャンディスク中の発熱をチェックしてみましたが、かなり低く抑えられているように感じました。その高速性とともに、標準で静音化されていることも含め、長く付き合っていくのに適しているように思います。 次は、大容量のHDDとうまく付き合う為の「TIPS」をご紹介しようと思います。 |
▼ 大容量(高速)ハードディスクとうまく付き合う秘訣集
ここから先は「TIPs」集です。 ■ うまく付き合う。 - 設置編。
他にもケースファンを設置して、ケース内に対流を作るだけでも結構効果があります。 ■ うまく付き合う。 - 接続編。
取り付けられたHDDが性能を発揮しない場合はまず1つのケーブルに単体で繋いでみてください。 ■ うまく付き合う。 - BIOS認識編。 古いBIOSには単体で32GB以上の容量を持つHDDをうまく認識できないものがあります。(それと同じように80GB以上を認識できないものもあります。) その場合の一番簡単な解決方法として、「Ultra66/100経由で接続する」のをお勧めします。うまく認識出来ないマザーのBIOSの代わりにカード上のBIOSで認識させよう、という寸法です。 両製品ともかなり安価なので、ATA-100/66対応のHDDをATA-33のマザーに繋ぐ場合は特にコストパフォーマンスが高いです。しかもUltra66/100経由にするとPromise独自のキャッシュ機能も稼働します。 難点としては「Windows NT/2000系のインストールが若干面倒になる」ことが挙げられます。具体的な手順については過去の記事を参照してください。 ■ うまく付き合う。 - OS編。 Win9x系では32GB以上のHDDを使うと、使用方法によっては一部の動作がおかしくなる場合があります。 まず、32GB以上のパーティションにスキャンディスクを実行すると、クラスタスキャン時にエラーが発生することがあるそうです。 その修正パッチはこちらです。 続いて64GB以上のHDDをお使いになる場合、OSのfdiskがその容量を正しく認識できないことがあります。 その修正パッチはこちらです。 最後に、大量のキャッシュを積んだHDDをお使いの方は、正常にシャットダウンが終了したのに次回起動時にスキャンディスクが起動する問題が発生するかもしれません。これはOS終了動作にHDDの書き込みが間に合わない為に発生します。 その修正パッチはこちらです。 ちなみに「FAT32」にて32GB以上のパーティションを作成すると、クラスタサイズは「32KB」になります。これは、「あ」とだけ書かれたテキストデータ(2バイト)を保存する際にも一律32KBを使用するということです。 ちょっともったいない気がしますし、上記のような問題も発生しやすくなることも考えると、例えば40Gモデルの場合は半分ずつなどに分けるなど、1パーティションを32GB未満にするのがお勧めです。 ■ うまく付き合う。 - メンテナンス編。 ハードディスクに不具合が発生した場合用にHDDメーカー各社はチェックユーティリティを公開しています。 ・ IBM - DFT (Disk Fitness Tool) ・ Maxtor - Maxtor’s Power Diagnostic ・ Quantum - QDPS (Quantum "Data Protection System") ・ Seagate - SeaTools Disc Diagnostic ・ Western Digital - Data Lifeguard Tools 中にはHDDのデータを完全消去する「ローレベルフォーマット」の機能も持つものがありますので、使用される際はヘルプ等を必ず読んでください。 |