Canopus WinDVR PCI

製品URL : Canopus WinDVR PCI

▼ 概要。

昨年から俄かに脚光を浴び始めてきたテレビチューナ付ビデオキャプチャデバイス。今では様々なメーカーからリリースされています。そんな状況下、国内ビデオカードメーカーの老舗である「カノープス」が送り出してきたカードが、今回取り上げる商品「WinDVR PCI」です。

出荷開始時から「Windows 2000公式対応」の数少ないカードの1つです。


▼ ハードウェア スペック。

 

■ チップ&テレビチューナ

どこかで見かけたようなデザインながら、リモコンや音声多重放送対応という点でスペック的に優れています。

チップは「Conexant Fusion 878A」が使用されています。

EMCのマイクロプロセッサも搭載されている点が目新しいです。

チューナはPhilips製のFM1236(pdf)です。このチューナは3dfxVoodoo 3500にも搭載されていたりとかなりメジャーです。


■ LP(LowProfile)対応

専用ブラケットまで付属しています。メーカー製マシンなどLPにしか対応していないマシンでも使えるという面でプラス、かもしれません。

■ 多彩な付属ケーブル

これでもか、というくらいに様々なケーブルが付属しています。別途購入となると結構コストがかかってしまうものなので、この点は非常に好感が持てます。


■ リモコン

あまりいい出来ではないように思います。見た目がチープというか何と言うか…。

受光パーツはかなり小さく、置き場所には困らないと思います。

 

■ 丁寧な日本語マニュアル

これは海外製カードには真似できない部分かもしれません。写真や絵を交えながら取り付け方法などを詳細に書いてあって、かなりいい出来です。


▼ ソフトウェア スペック。

ビデオキャプチャ関連の全ての機能を管理しているのは「WinDVR」というソフトウェアです。

■ Intervideo WinDVR : [URL]

 

このソフトは「WinDVR PCI 専用」というわけではなく、WDM版ドライバで動作しているキャプチャデバイスであれば使用可能なようで、同名のソフトが日本ではInfoMagicから単体でリリースされています。

ただし、「音声多重」や「リモコン」などの機能で差異が出るため、他の低価格カードとこのソフトウェアとの組み合わせでは同等になりません。その辺、今回の製品はうまく組み合わされたものだと言えます。


■ Canopus FM Tunar

 

名前そのままの機能を持つソフトウェアです。ボードの機能を使ってFMラジオを聞くことが出来ます。


次は肝心の「操作性」や「画質」に迫ります。




▼ 画質

基本的に「WinDVR」にて見ることになるので、そのオーバーレイ表示画面の画質を見てみました。

■ テレビ(アンテナ)入力。

1万円クラスのTVチューナカードとほぼ同程度で格別優秀とは感じませんでした。ただフルスクリーン表示にも十分耐えられる画質はあります。

手持ちの「ATI TV-Wonder」と比べると、ほぼ同レベルか若干下のように見えました。しかし「TV Wonder」もWDM版ドライバが適用されると画質が落ちることから、画質はドライバの更新で向上する可能性があると思います。

■ S端子/ビデオ入力。

ビデオ入力はアダプタ経由なので結構画質が劣化します(マニュアルにも記載あり)。しかしS端子の画質は中々のものです。TVアンテナをビデオ側に繋ぎ、S端子で入力したところかなり鮮明な画質を得ることが出来ました。


続いて操作性やキャプチャ性能をチェックします。使用した環境は下記の通りです。

Duron 800MHz/256MB SDRAM(PC-133)/KT7A/DNES-31850


▼ 操作性

■ ソフトウェア起動時間

 

「WinDVR」の起動にかかる時間はかなり長く、約20秒はかかります。この時間はCPU速度などにはあまり依存しない模様なので結構痛いです。


また起動時間とは直接関係は無いのですが、ソフト起動時の画面表示位置やサイズを記憶できない点はマイナスに感じます。

■ テレビ視聴性

実際に体感するまでは大した機能差ではないと思っていた「音声多重放送受信機能」ですが、映画や音楽番組での効果を目の当たりにすると必須なようにも感じます。

チャンネル切り替えの際のストレスは無いに等しく、ストレスは感じません。

■ タイムシフト

まず、通常モードからタイムシフトモードに移るまでに約10秒近くかかります。あと、タイムシフト動作中の画面はキャプチャの設定に準拠する模様なので、音のひずみや画像の劣化などがどうしても出てしまいます。

 

また、タイムシフト用のバッファを作成中にコマ落ちや音割れが発生する場合もあり、最終的に綺麗な画面が見れずじまいになる可能性もあるため、非常に便利なものの使いどころの難しい機能といえそうです。

■ iEPG

 

EPG ボタンをクリックすると「インターネットTVガイド」に飛びますので、「iEPG番組表」をクリックします。

 

あとは番組表内の 予約ボタン ボタンを押すだけで番組予約(録画予約も可能)が完了します。

■ リモコン

普通のテレビレベルの受信性能はあるようですし、テレビ画面をフルスクリーンにしておけばまさに普通のテレビのように使えます。

■ FMラジオ

ソフトから直に録音する機能などがあれば面白いと思うのですが…。


▼ キャプチャ性能

対応可能範囲を超えて(10kbit以上)ビットレートを設定できる不具合は最新版にて解決されています。

 

いずれの設定も「320x240」になっていますが、ユーザー設定で解像度をより上にした場合、コマ落ちなどが発生しやすくなりました。一方「320x240」だと長時間録画していてもほとんど発生しません。


▼ まとめ - 価格と性能と希望

正直じっくりとテストしていて不満に感じるところがそこかしこにあったのですが、それはハードウェア的制限というよりもむしろソフトウェア的な制限なので、将来的に解決される可能性が高いです。

また、それらの不満は現状ではまったく使えないというほどでは決して無いですし、他の低価格カードでは太刀打ちできないの機能性も持っているのもまた事実です。

以上より結論としては、「カノープス」というネームバリューと、そのドライバサポートの充実度を考慮すれば「買い」、ということになると思います。



Posted by dospara_review at 17:09Comments(0)TrackBack(0)拡張カード │2001年02月09日
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