ATI TV WONDER USB Edition


▼ 概要。

この商品は、TVチューナ付きキャプチャカードの中でも特に長命な商品、「ATI TV WONDER PCI」のUSB版です。最近はこのようにPCI版とUSB版が両方リリースされることが多い模様です。

なおPCI版については、以前にレビューで取り上げていますのでそちらをご覧下さい

スペック的にはPCI版そのまま…というわけではなく、結構違いがあります。まず標準添付の「MMC 7.3」により「Windows 2000に公式対応」しています。これは、TVチューナ付きキャプチャカードの中ではまだまだ珍しい優位点です。

また、外部電源なしのUSBバスパワーのみで動作する点もノートPCなどで使用する際に便利な点です。

 

一方でPCI版に比べて劣っている点も存在します。


まず最初に、USB版は元々から(ハードウェア的に)ステレオ対応では無いことが挙げられます。
(外部音声入力に関してはステレオ対応のようです。)

また、入力が1系統のみ(RCA端子入力の際は標準添付のアダプタを使用)な点もマイナスに感じます。


▼ 使用上の注意点。

セットアッププログラムはそれ自体の機能により日本語化されますが、付属ソフトウェア(MMC)は英語版になります。もちろんテレビ機能自体に関しては「日本アンテナ」設定がありますので問題なく見ることが出来ます。

 

ただ、その再現性について確定的なことはわかっていないのですが、1-12chの間のチャンネルが見ることが出来ない場合があります。


問題が発生した場合はこちらからパッチをダウンロードして適用していただくことで、左図のように正常にチャンネルが認識されます。

標準でインストールされる番組表連携ソフト「GUIDE Plus+」に関しては、残念ながらアメリカ、カナダ限定となっていて日本では使用できません。

ドライバのインストールはソフトウェア(MMC)のインストールと別途で行います。よってMMCのインストール後、再起動した後もドライバをインストールするまでは付属CDが必要になります。

 

最終的には3つのデバイスが認識されるのですが、最初のデバイスが認識されてから、その次のデバイスが認識されるまでに若干タイムラグが発生します。


最初のデバイスが正常に認識された後は、次のデバイスの認識を開始するまで何も操作をせずしばらく待ってみてください。


次は実際の使用感についてです。ポイントは「ブラウザ(IE)でテレビを見たことがありますか?」です。他に類を見ない(?)その機能に迫ります。




▼ テレビ&キャプチャ機能チェック。

 

テレビ機能自体はMMCを使用しますのでPCI版と同じくインターフェースも含めて中々優秀です。

PCI版と画質等を比較してみましたが、チャンネル切り替え時のもたつきを除けばほとんど劣っていません。

 

キャプチャ機能は設定項目は結構多いですが、やはりUSBであるためか、コマ落ちなどが見られました。


▼ IE de TV?

ではいよいよブラウザでテレビを見てみようと思います。この機能はIEウィンドウの一部を利用してテレビが見れてしまう、TV WONDERシリーズの中でUSB版が初めて実現した新機能です。

 

MMCをインストールするとIEにショートカットが出来、クリックすると左図のようにIE上でテレビが見られるようになります。

 

肝心の動作の安定性はいまいちですが、壁紙をテレビ画面化できる「ビデオデスクトップ」機能と並んで非常に面白い機能だと思います。


▼ まとめ。- 単身赴任や残業のお供に?

今回取り上げた商品は、テレビチューナ付きキャプチャカードとしての機能自体はそこまで優秀なものではありません。もちろん他のATI製品と共通のインターフェースを持つMMCは中々の出来ですが、USB接続という事でOSや転送速度にかなり制限があります。

しかし一方で、USB経由の外部接続で電源いらずな点や、IEとウィンドウを共有できる点を考慮すると、ノートPCなど拡張性や画面解像度に制限があるマシン用には非常に有効であることがわかります。

また、テレビアンテナも持ち歩くのにはさすがに無理がありますが、アンテナはあるもののテレビを持ち込むのが難しい環境、例えば仕事場や単身赴任先でのテレビ視聴には十分すぎる機能があります。

というわけで、「テレビを持ち歩くよりはるかに楽」なこの商品、一度導入を検討されてみませんか?



Posted by dospara_review at 18:03Comments(0)TrackBack(0)マルチメディア │2001年01月05日
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