サイズ XClio A380Plus

外観

XClio A380Plus-BK(ブラック)
メーカー:サイズ
メーカーURL:http://www.scythe.co.jp/
価格 : オープンプライス
(ドスパラ通販センター 14,800円)


 日本全国が入梅の気配を見せ、
しかも気温が順調に上がり始めウンザリ気味な今日この頃。
皆さんはいかがなPCライフをエンジョイしてますか?

突然ですが、最後の記事から足掛け2年、
誰もが忘れかけていた当コーナーが復活となりました!
自分は今回より製品レビュー担当となる(酒)と申します。今後ともよしなに。
 早速ですが、これからの季節は、PC自作家にとり熱が気になるシーズンです。
特に高性能パーツで身を固めた人ほど、冷却に悩まされるのは運命といえます。

 そこに登場した「XClio A380PLUS」は、2つの巨大ファンにより内部全体を冷却するという画期的なPCケースとのこと。
それが本当ならば、冷却を気にする全ての自作家にとって待望の製品になるはず!
という訳で、早速その実力を拝見することに致しました。




●外観:目を見張る巨大ファンの雄姿
本製品の本製品たるゆえんは、やはり前面と側面に設けられた巨大ファン。
前面25cm、そして側面36cm! という2つの吸気ファンは、
背面に12cmファンのみ、という他ケースではありえない迫力です。

その他スペック詳細、付属品はこちら→http://www.scythe.co.jp/case/xclio-a380plus.html


ではケース外観をチェックします。

正面
前面ファンは、カバー部分を含めるとケースの横幅からはみ出すほど。
それでもデザインを損ねていないのは、ジェットエンジンをイメージした流線型のカバーが、
ケース全体が持つ高級感と一体化しているためか。
5・3.5インチベイや電源・リセットボタンは、カバーを開けると出現します。
この前面ファン、カバー、そしてサイドファンには青色LEDが搭載されているので、電源を入れると光ります。



36サンチ砲
ファン側サイド。さすが36cm。
内部が見えるので異常が生じてもすぐ分かるアクリルパネルもいい感じです。






前面ファン
前面ファンコントローラはここにあります。






背面
背面。PCIブラケットに見える黒いつまみは、側面ファン用コントローラです。











天板
フロント用I/Oパネルはここ。USB2.0×2とIEEE1394(6ピン)が使えます。






実際に触った印象ですが、
・シャーシに1.0mm厚SECC(電気亜鉛めっき鋼板)を採用し、サーバー向けも意識した剛性を確保。そのため手触りにペラペラ感はなし。
・本体デザインはブラック基調のカラーリングと、正面から見ると曲線を生かしたファン部分や前面カバーにより、いわゆる大画面TVがあるリビングに置いても違和感がないスタイリッシュなイメージ。
 なお、前面カバーはマグネット開閉式。電源やリセットボタンはカバーを開けないと押せません。
・前面(上面)USB2.0/IEEE1394の位置は賛否両論。ケースを机の下の置く人には便利。逆に目線の高さだと不便になります。
 ケースの大きさも踏まえ、設置場所に配慮しましょう。
・前面サウンド入出力がないのは残念。側面ファンコントローラーが背面なのも……。






●内部構造:スペースは広いが初回組み立ては面倒
次はケース内部、そして組み立てやすさをチェックしましょう。

内部
搭載ベイは、5インチ×5、3.5インチ×1、3.5インチシャドウベイ×7と、内部は広い上に拡張性も十分。
電源を支えるフレームも、手前だけでなく奥側にもあり、奥行きが長く重量がかさむ1000Wクラスの電源を取り付けても、電源の自重でネジ止め部分がたわむ心配もなし。





収納
また、シャドウベイ下部にはプラスチックケースが設置され、ここにネジやスクリューレス用のクリップが収納できるのはうれしいポイント。
このケースはHDDを4つ以上内蔵しなければ外さずに済むため、RAID 0・1・5を構築したい人も大丈夫。ただし0+1の人はごめんなさい、外してください。





こう見ていくと良いことずくめですが、実際にパーツを組み立てた時に、思わぬ不満点も出てきました。
・ケースを倒して作業する場合、ケースの流線型カバーが邪魔で安定して置けず、結局反対側サイドカバーも取り外す必要がある。
・さらに、前面カバーの出っ張りも邪魔だが、こちらはフロントパネルケーブルの都合で外すわけにもいかず、そのため出っ張り部分は机からはみ出すようにケースを置かねばならない。

横置き注意
作業時はこのようにケースを置くことに。







・サイドパネルは、背面のネジを取った後スライドさせずにそのまま引いて外す構造。折り返し構造ではないため、パネルを引く際に毎回ひっかかる指が少々痛い。
・前面I/O用USB2.0・IEEE1394のM/B用ケーブルの赤白緑黒がバラバラ。
・光学ドライブ用のクリップが黄色く、前面カバーを開けた際に目立つ。黒が映えるデザインだけにもったいない。

・特に気になったHDDとVGA(ビデオカード)の取り付けに関して。
 本製品の幅は前面ファンカバーを含め265mmですが、ケース部分は約205mmほど。
 しかも、側面ファンは厚さが30mm程度あり、したがってケース内部の幅は約170mm。
 そのため、HDDコネクタ、そしてカード上部に補助電源コネクタがあるVGAの取り付け時に、ケーブルが側面ファンやパネルに圧迫されます。
 シリアルATAケーブルのL字コネクタをHDD側に、VGAには補助電源コネクタの根元部分が曲がりやすい物を使うなど、配線テクニックが問われます。


配線注意
HDDとVGAのコネクタがパネルに近いため、ケーブルを強く曲げる必要が……。








●冷却と騒音:本製品の本領発揮!
 それでは本製品最大のトピックである、冷却性能を見てみましょう。
スペックは、本製品が冷却を気にするパワーユーザー向けということを考慮して、クアッドコアCPUとVGA2枚によるSLIにしてみました。


チェック条件は以下の通り
・PCスペック
M/B(マザーボード):Albatron NF 680i SLI
CPU:Core 2 Quad Q6600
CPUファン:リテール
メモリ:Micron PC2-6400 1GB×2枚
光学ドライブ:BENQ DC DQ60
HDD:ウエスタンデジタル WD1500AHFD(10,000回転)
VGA:ASUS EN8800GTX SLI(2枚挿し)
電源:会社にあった1000W(メーカー不明)
OS:Windows XP Professional SP2


・検証環境
室温25℃前後と36℃前後の2パターンにて実施。これはつまり、エアコンがある・なしの状況を想定。
測定ツールは「nMonitor」。HDD温度は「SpeedFan」。
負荷をかけたツールは、CPU用に「Stress Prime 2004」、VGA用に「3Dmark06」のPixel Shadeテスト。
この2種類を同時に実行し20分後に測定。アイドルは負荷停止から20分後となります。
なお、画面解像度は1024×768、温度変化を確認しながらのため、3Dmark06は「3DAnalyze」を用いてウインドウ表示(800×600)となります。


恒温室
35〜37℃の環境は、この作業用恒温槽で再現しています。
なお、恒温槽とはクーラーやヒーターを用いて温度を一定に保つための部屋。
写真のように狭く風通しが良くないため、同温度の一般の部屋より多少厳しい環境かもしれません。








◇では最初に普通のケース結果から。
これは自宅にあった背面12cmファン搭載のATXケースを引っ張ってきました。
・室温25℃前後 CPU温度 M/B温度 HDD温度 GPU温度1 GPU温度2
アイドル        45℃   55℃   39℃    79℃    75℃
負荷          60℃   56℃   40℃    86℃    85℃

・室温36℃前後 CPU温度 M/B温度 HDD温度 GPU温度1 GPU温度2
アイドル        60℃   64℃   53℃    83℃    80℃
負荷          80℃   70℃   55℃    100℃    98℃


エアコン部屋ではそれなりですが、暑苦しい部屋での結果に驚き!
特にVGAは、このまま続けたらどうなったことやら……。


◇いよいよ本製品の出番。ファンは両方とも全力回転です。
・室温25℃前後 CPU温度 M/B温度 HDD温度 GPU温度1 GPU温度2
アイドル        45℃   37℃   37℃    59℃    65℃
負荷          56℃   38℃   38℃    63℃    75℃

・室温36℃前後 CPU温度 M/B温度 HDD温度 GPU温度1 GPU温度2
アイドル        54℃   49℃   48℃    71℃    79℃
負荷          67℃   51℃   48℃    77℃    86℃


この外見は伊達ではなく、冷却効果は期待以上。高発熱のVGAであるGeForce8800GTX、さらにはM/B全体を確実に冷やしています。
全体的にGPU2が高温なのは、側面ファンの有効範囲から外れており、またGPU1が壁になっているためと思われます。
もちろんそれでも普通のケースより冷えています。


◇今度はケースファンの回転数と冷却性能の変化を確認します。
VGAをファンレスの「ASUS EN7600GS(1枚)」に交換し、
室温25℃前後で両方のファン回転数を、最低と最高にして再チェックです。

・ファン最低  CPU温度 M/B温度 HDD温度 GPU温度
アイドル      43℃   35℃   40℃    52℃
負荷        52℃   35℃   39℃    75℃

・ファン最高  CPU温度 M/B温度 HDD温度 GPU温度
アイドル      42℃   30℃   38℃    44℃
負荷        51℃   31℃   38℃    62℃


回転数が増すほど、風が当たる面積が広いM/B、そしてVGAが良好な結果に。
VGAは下手なファンつき製品より冷えている印象です。

最後に騒音についてですが、前面ファンは600〜1000回転、側面ファンは250〜600回転と非常に低速ため、最高速設定でも静かです。
ファン音よりも、CPUやVGA、そして音ではありませんが豪勢に輝く青色LEDのほうが気になります。
ただし、風量が強いためほこりっぽい部屋の人は注意。試しにティッシュを近づけたら見事に吸着して落ちませんでした。
したがって、ほこりはもちろん、タバコの煙も容赦なく吸い込むことでしょう。




●結論:冷却ケースとして非常に優秀な製品
 最後にチェック結果をまとめてみましょう。

利点
1、ケースは大きいが、剛性は十分。高級感溢れるデザイン(のはず)。
2、メンテナンス性は良好で付属品ケースやスクリューレス構造は好印象。
3、冷却性能は抜群。暑苦しい部屋でも、エアコンが効いた部屋における普通のケース以上に冷える。
4、ファン音は小さい。むしろVGAやCPUファンが気になるほど。

欠点
1、最初の組み立てやケース横置きの作業は苦戦。
2、横幅が意外と狭いので配線に注意。
3、ほこりっぽい部屋では盛大に吸い込むため、こまめな掃除やガーゼ貼り付けなどを忘れずに。特に小さい子供がいる人は、側面ファンのスリット部分に指を入れないよう注意。ファンが低回転とはいえ危険です。

 本製品はその外見ゆえにネタ的なイメージを持つ人もいますが(最初は自分も……)、
必要十分な冷却性能を発揮した上に、初回組み立て後のメンテナンス性も良好。
その上サーバーケース準拠をうたうだけに、剛性も満足と、PCケースとして求められるスペックは申し分なし。
その巨大さと使い勝手の面で配慮不足が見られるものの、本製品の価値を損ねる問題ではないでしょう。
価格は電源なしで14,800円前後となりますが、CPUやVGAファンを別途購入していくより費用対効果に優れます。

 結論として、ファンレスVGAなどを駆使して静音PCを構築したい人、高性能パーツに投資しすぎてエアコンがないパワーユーザー、
そして安定性を求めるサーバーマシン、さまざまな用途において効果を得られ、そして納得できるケースだと思います。
個人的に次のメインPC製作時の導入確定となったところで、今回のレビューは終了です。


Posted by dospara_review at 18:40Comments(5)TrackBack(0)その他 │2007年06月07日
トラックバックURL
この記事へのコメント
1. Posted by 根無し草   2007年08月04日 19:54
初めまして根無し草と申します。
自作初挑戦としてブログを運営しております。
2. Posted by 東北の田舎じじい   2007年08月31日 15:01
このケースのエアフロの温度ですが、改良しだいでは、かなり冷えます。

このケースでこの夏の猛暑の中、Q6600G−0で空冷で4.014Ghz出しましたよ。

ノーマルでは悪い点あると思いますが、改良しだいでは最強になります。

HPにXCLIOの改良UPしてありますのでメーカーに
その点指摘するのいいのではないでしょうか?
3. Posted by jump   2007年09月06日 19:15
素晴らしいですね。
給料入ったら、買ってみます。
4. Posted by GSR   2008年01月15日 14:21
このシャーシを使った普通のケースがほしい
5. Posted by サンラメラ   2008年10月25日 09:54
はじめまして
ネットサーフィンして、たどり着きました。
いいですね!ドスパラ、安い割には高性能ですから。
この記事にコメントする
名前:
URL: 情報を記憶: