CFで高速起動ディスクを作ろう

製品概要

SD-ID22CF-R1(写真左) & TS8GCF266(写真右)
メーカー:AREA(SD-ID22CF-R1)、Transcend(TS8GCF266)
メーカーURL(AREA):http://www.area-powers.jp/index.html
メーカーURL(Transcend):http://www.transcend.co.jp/index.asp

価格 : オープンプライス(SD-ID22CF-R1) (ドスパラ通販センター 3,980円)
価格 : オープンプライス(TS8GCF266) (ドスパラ通販センター 16,980円)


 こんにちは、2度目にして早くもお久しぶりの(酒)です。
自作熱真っ盛りな人が各種パーツを買ったと思われる袋を見るたびにうらやましくなる秋葉原よりお送りする製品レビューです。
今回は、最近何かと話題の「HDD代替フラッシュメモリディスク(シリコンディスクとも言います)」を作ってみようと思います

●HDDフラッシュ化の利点とは
 内蔵HDDをフラッシュ化する利点は、何よりモーター駆動がないことによる静粛性と消費電力の低減、ショック時のデータ保護に強く、そして(製品次第では)HDDより高速なアクセスが上げられます。この辺りは各種ニュースサイトでも幾度となく語られていますので参照ください。

 こうしてみると、もうフラッシュ万歳! ですが、現在HDDの代わりとして最右翼にいるSSD(Solid state drive)は、32GBで5万円以上と非常に高価なため、まだまだ手軽に購入というわけにはいきません。
また、HDD部分に5万円の製品を搭載するということは、やはり本体側もそれなりの価値があるノートPCでないと……、と思う人もいるはずです。
 ところが、最近のHDD搭載ノートPCだと、そのHDDも速くしかも大容量。せっかく5万円をかけたのに、速さは「それなり」にアップしたが容量は激減でなんとも…・・・、という話になりかねません。

 フラッシュ化の恩恵を大きく受けるには、2〜30GB前後の容量、かつ現在の製品と比べ転送速度が確実に遅い4200回転時代のHDDと載せかえるのが理想的ではないでしょうか?
ですが、この場合の本体は2年以上前の製品が主流のため、「5万円のドライブを載せるのがもったいない」と、結局のところ価格がネックとなり、堂々巡りになりがちです。
 ならば、安価なフラッシュメモリでHDDの代わりができないか? ということで今回チェックするのが、コンパクトフラッシュカード(以下CF)を2.5インチHDDとして認識させるインターフェイスカードの「龍 FOR 2.5"」こと(「SD-ID22CF-R1」です。

 本製品には、CFを2枚まで搭載でき、もちろんHDD同様に起動ドライブとしても利用可能です(CF次第ですので購入時にご確認を)。最近のCFは最高266〜300倍速という製品があり、特にOSの起動や一般的な作業に影響するランダムリードが速いことから、早くも高速ドライブの完成を期待しまくりです。
(なお、〜倍速の数値はCD-ROMと同じ計算となります。つまり1倍速なら最大転送速度は150KB/秒、266倍速なら約39.9MB/秒となります。ちなみにDVD-ROMの1倍速は1,385KB/秒です)



●少々? 古めのミニPCを調達
では早速検証開始。

高速CF






まずはCFに、266倍速のTranscend製8GBカード「TS8GCF266」を同社よりレンタル。さらに120倍速の「TS8GCF120」も比較用にお借りしました。


ここで問題が発生。ちょうどこの時はパラレルATAの4200回転HDDを搭載するノートPCが見つかりません。と悩んでいるところに、社内の某PCマニアから、「これを貸すよ」と私物のミニPCをゲット。
スペックをぱっと見て、「CPUはCeleronM 1.3GHzですか、ちょうどいいです」と話す自分に、「いや、Mじゃないよ」と一言。

???















どれ、もう一度スペックを確認……。















Tualatin(テュアラティン)でした!!

今のご時勢にこの単語が口から出るとは思いませんでしたね。
※Tualatin:Pentium兄代、3代目(最後)のCPUコードネーム。ちなみに初代はKatmai(カトマイ)、2代目はCoppermine(カッパーマイン)。



スミコム





本体は、5インチベイサイズのPCと話題になった、クイックサン「Quixun Opera Piccolo」(2002年7月発売)。内蔵HDDは、IBMのIC25N020ATCS04-0(2001年後半発売)。 そういえば、発売当時に知人が買うのについて行ったなと思わず回顧。
CPUはこのCeleron1.3GHzのほか、Pentium 1GHzも一緒に借りたので、こちらに交換してます。


と、いう訳で、用意したPCスペックです。
本体名:ベアボーンPC Opera Piccoro
チップセット:インテル815EG
CPU:Celeron 1.30GHz & Pentium 1GHz(Coppermine)
メモリ:PC133 SD-RAM 256MB×2枚
HDD:IBM IC25N020ATCS04-0(20GB、4200回転)
ODD:MATSHITA UDJA330(CD-R/RW)
VGA:チップセット内蔵
OS:WindowsXP Professional SP2



ちと古すぎでは? と思いの方もいるでしょうが、とりあえずチップセットはATA100対応なので、HDD(CF)性能に対してボトルネックにはならないと思います。
その他はおまけとして見てください。念のため、HDD速度の参考資料として、自宅にある17インチワイド液晶ノートPC(2005年2月モデル)も参考として計測してみました。

そのスペックは、
CPU:CeleronM 350(1.30GHz)
チップセット:Radeon 9100 IGP
メモリ:PC2700 DDR 512MB×2枚
HDD:TOSHIBA MK8025GAS(80GB 4200回転)
ODD:HL-DT-ST DVDRAM GMA-4080N
VGA:Mobirity RADEON 9700
OS:WindowsXP HomeEdition

となります。TVチューナーを内蔵し我が家のHDDレコーダーとして活躍中。なお、HDDは2003年5月登場製品です。



CF取り付けそのものは非常に簡単なので、細かい説明は省略します。
ただし、本製品のCFスロットは、IDEコネクタに近くCFの表が見えるように挿す側が「スレーブ」で、意外なことに反対側が「マスター」なのです。という訳で、CFを2枚挿しの場合は高速なCFを反対側に取り付けるようにしましょう。
説明書をちゃんと読めば全然問題ないのですが、見た目の気軽さから初心を忘れた自分は見事に間違え、最初120倍速のCFで作業を行い「見違えるほど速いわけじゃないな…」と悩みました。
なお、取り付け作業では、ピンが折れないように慎重に行いましょう。


手前はスレーブ





外見イメージなら手前がマスター……。表裏の逆挿しはしないように。



●OS起動速度と定番ベンチで速度を見る
ではまずOSをインストールした後に、起動時間やfdbenchで「目に見える形」での数値を、そして実際にPCとして使用した体感を述べてみます。
※家のノートPCもOSのみ再インストールを考えましたが、メーカー製のためドライバがなく、チップセットなどの性能が発揮できないため断念。リカバリで復旧の場合、最初から常駐ソフトがてんこ盛りで入るため、起動時間が長くなることからこちらもあきらめました。


まずは起動時間から。
これは電源オンから、OSのスタートアップに登録したテキストファイルが開くまでの時間を、それぞれ3回計測します。
特にCFは、フォーマットをFAT32とNTFSの2種類試しています。
  1回目 2回目 3回目
IC25N020ATCS04-0(内蔵HDD・NTFS) 48秒 44秒 43秒
TS8GCF266(CF:FAT32) 33秒 32秒 35秒
TS8GCF266(CF:NTFS) 27秒 28秒 27秒

高速起動





CFが非常に高速です。特に、XPの大きなロゴが消え「個人設定を読み込んでいます」からデスクトップ画面に移り、そしてテキストが開くするまでの流れが3秒ほどで完了します。

ここで重要なポイントは、電源オンから10秒以上は起動画面の処理が行われており、データをロードし始めるのはそこからだということです。仮に起動画面を10秒としますと、HDDの最速起動が33秒に対し、CF(NTFS)の最速は17秒ということで、約2倍差という計算になります。



次は定番ベンチマークの FDBENCH(ewordさん作、RRはランダムリード、RWはランダムライト)をこちらも3回ずつチェック。
※数値は1000が1MB/秒相当です。18861なら、18,861MB/秒の転送速度となります。

IC25N020ATCS04-0
  1回目 2回目 3回目
Read 18861 18931 19036
Write 16384 17066 16895
RR 7635 7175 7339
RW 6219 6211 6261
2001年製だけあり、現在のHDDと比べるとやはり遅いです。それだけにフラッシュ化の恩恵を受けやすいとも言えますが。


TS8GCF266(FAT32)
  1回目 2回目 3回目
Read 38568 38861 38861
Write 32353 33952 33963
RR 35617 36768 36768
RW 8192 8218 8114
シーケンシャルはHDDの約2倍、そしてランダムリードは5倍! ランダムライトも幾分早く、間違いなく当時のHDDより高性能です。



TS8GCF266(NTFS)
  1回目 2回目 3回目
Read 38123 35237 38714
Write 33182 32359 33074
RR 34270 35980 36506
RW 7852 7803 7938
NTFSでもほぼ同じ結果になりました。でも起動時間はこちらのほうが確実に早いです。



参考HDD:TOSHIBA MK8025GAS
  1回目 2回目 3回目
Read 25365 26016 25365
Write 25748 25308 25075
RR 11617 11260 11552
RW 7981 7987 7950
世代が新しいためか、同じ4200回転でも高速です。でもCFよりは遅いことが分かります。
ポイントは、HDDは2003年5月発売ですが、2005年のPCにも使われていたということです。
つまり、この頃発売されたメーカー製ノートPCの大半は、HDD性能がこれくらいと見てよさそうです。



参考CF:TS8GCF120(FAT32)
  1回目 2回目 3回目
Read 14052 14522 14520
Write 12623 12612 12654
RR 13470 13487 13471
RW 2510 2519 2528

266倍速と比べ、性能差がほぼ比例しており、ランダムリードはHDDより1.8倍高速ですが、それ以外は劣っています。
ただし、ランダムライトに関しては倍速の比率以上に遅いため、こちらにOSをインストールした際はとてつもなく時間がかかりました。



266倍速CFの威力が遺憾なく発揮されており、正直な話、速いとは思ったがここまで差が出るとはと、ただただ驚きです。
実際に操作を行うと、F1キーによるヘルプ呼び出しや、インターネット閲覧など、そつなくこなしています。インターネットでの画像読み込みは、一瞬もたつくシーンもありますが、結果的には早いという感じです。まあ、ランダムライトや内蔵グラフィック性能も影響しているでしょう。




●結果:容量に目をつぶれるなら非常に面白い
では感想を。

利点
確実に高速化を実感でき、いわゆる「ちょい古ノートPC」には有効なパワーアップといえるでしょう。
SD-ID22CF-R1は価格が3,000円台とコストパフォーマンスは優秀。8GBの高速CF1枚だけを別途購入なら、今回使用のTS8GCF266が16,980円なので、合計しても2万円程度、9,980円と高速で4GBのCF、TS4GCF266とセットなら14,000円弱で済みます。
もちろん価格と容量比を計算すると32GBのSSDのほうが安くなりますが、「実際にかかる費用」を抑えつつ、ドライブをフラッシュ化できる点に意義があるはずです。
また、こういった世代のPCを利用している方は、USB接続のフラッシュメモリやHDDをすでに増設してデータは外部に保存している可能性が大きいです。
したがって、CFは起動ドライブ&最低限かつ重要なアプリケーションのインストールのみに抑え、データは外部へ、と使い分ければ容量の心配もありません(WindowsXP Professionalのインストール容量は約2.5GB)。

欠点
 本製品はCFを2枚搭載した際に、2枚が別ドライブと認識されるため、8GBを2枚挿しても16GBのCドライブにはなりません。
Cドライブが8GBでは、先述のようにインストールをOSと最低限のソフトに限られます。利点の逆パターンになりますが、「Cドライブには何も入れないでいいや」と割り切れる人はともかく、最初から多数のソフトがプリインストールされる大手メーカー製PCの起動ディスクとして考えるのは難しいですしょう(メーカー製ノートPCのHDD交換はほぼ補償対象外なので注意)。
また、転送速度はCFの性能に依存します。今回使用したTS8GCF266は非常に高速ですが、他製品は今回見ていませんので、全ての環境でこの速度が出るという保証はありません。ここはぜひ、2枚をストライピング接続でき、大容量Cドライブと高速転送を両立した、かつ低価格な製品もほしいところです。

※複数のCFをストライピング接続可能な製品として、センチュリーのシリコンディスクビルダーCFがあります。この製品はCFを同時に3枚まで搭載でき、大容量かつ高速ドライブが構築可能です。ただし、実売価格が17,800円前後と、今回のCFを3枚購入すると、SSDの価格を超えてしまいます)。


という訳で、ユーザーを選ぶかもしれませんが、対象者には十分な結果をもたらしてくれることが判明。個人的には、自宅のソフトてんこもりメーカー製ノートPCの起動用でもなんとかならないかと現在思案中です。


Posted by dospara_review at 12:18Comments(7)TrackBack(0)拡張カード | ドライブ類2007年08月01日
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この記事へのコメント
1. Posted by なたる   2007年09月10日 00:04
この記事と同じ事をやろうと思っていたのでとても参考になった。特にCFの相性問題が気がかりだったので安心してトランセンドを購入できる。ありがとう。
2. Posted by マミー   2007年09月27日 17:20
私もトランセンドの266倍速4Gで実験しましたが
ウルトラモード2でREAD 18M, write 10M 程度
しか出ませんでした。PCはIBMのx30です。
やはり旧式のPCだからでしょうか?
3. Posted by キチ   2008年02月01日 17:58
ノートpcでトランセンドの266倍速4Gを使いxp pro をインストールしたら起動の途中で固まってしまいますが、CF と SD-ID22CF-R1 どちらの原因でしょうか?設定などはあるのでしょうか?
4. Posted by キチ   2008年02月05日 22:49
すみません、メルアドを忘れていました。
ノートpcでトランセンドの266倍速4Gを使いxp pro sp2をインストールしたら起動の途中で固まってしまいますが、CF と SD-ID22CF-R1 どちらの原因でしょうか?設定などはあるのでしょうか?インストール時にドライバなど入れるのでしょうか?
5. Posted by おばま   2008年02月07日 08:44
BIOSのIDE設定とかを変えたりするとか。
実は型番の最後にPがつくPIOモード用だったとか。
単純に不具合とか。いろいろ見てみるしか。

インスコの時もドライバとかは不要でしたよ。
6. Posted by おばま   2008年02月07日 08:46
書き忘れ。全部の環境で正常動作するとはかぎらないのと、最近買ったCFなら、この記事からもう半年たってるし、中身が違うって可能性もありますよ。
7. Posted by sジイジ   2011年05月29日 10:57
えらいタイムスリップで恐縮です。
t5720にトランセンド8GB400XでXPproノーマル版を入れたのですが「ページファイルが限界です」を解決できません。
ページファイルの設定ができません。
変換名人CFIDE-441IAとTS8GCF400を使用。

アプリにより動くのもありますが...ご指導下さい。
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