消費電力100WのオールラウンドPC


メーカー:AMD
メーカーURL:http://www.amd.com/jp-ja/
メーカー:Intel
メーカーURL:http://www.intel.co.jp/jp/index.htm?iid=jpCorporateV3+Header_1_Logo
価格 : オープンプライス(Athlon X2) (ドスパラ通販センター)
価格 : オープンプライス(Pentium Dual-Core) (ドスパラ通販センター)
どうも、朝方の気温が急激に冷え込むようになり、風邪を引きそうになった(酒)です。
皆さんも季節の変わり目にはお気をつけ下さい。
先日「パーツの犬」でSempron LE-1150の記事を発見し、こういった省電力CPUを活かせる構成のPCを作ってみたくなりました。
これは、昨今はゲーム機の最大消費電力が380Wという時代ですから、
ならば逆にPCで省電力を目指してやる! というチャレンジ精神の表れです。
なお、380Wという数値は、
CPU:Core 2 Extreme QX6850
VGA:8800Ultra
搭載のPCで、CPU負荷ツール「StressPrime2004」と、ご存知3DMark06を同時にループさせている状態とほぼ同じです(大体380〜430Wでした)。
家庭用ゲーム機でこの電力とは、すごい時代になったなぁとただ驚いたりします。
●構成はあくまでデスクトップPC
で、省電力PCを作るぞ〜。と意気込んでみましたが、最初に悩んだのは基本構成。
正直なところ、「省電力PC」を作ろうと思えば、モバイルCPUや対応マザーボード・SSDや2.5インチHDDなど、
いわゆるノートPC用のパーツを揃えれば簡単です。
しかし、それでは予算も高く付きますし、マザーボードに至っては探すのも一苦労。
一般的なデスクトップPCで使用されているパーツでチャレンジするのが筋というものです。
という訳で、ドスパラオリジナルPC Prime
のデスクトップモデルでも使っているパーツを前提にしました。
また、性能を落とし、機能を省いてインターネットやメール、文書作成がせいぜいでDVDも観賞出来ない、というスペックも、ビジネス用としてはともかく個人向けPCとしては非現実的です。
これらの件を踏まえ、条件としては……、
・パーツはデスクトップPC用
・デュアルコアCPU
・DVDの視聴・書込みが可能
・メモリは2枚挿し(デュアルチャネル)
言われてみれば当たり前のPCなのですが、とにかくこの構成で100Wを切るようにチャレンジします。
周囲にあったパーツを集めたら、こんな1台になりました。
M/B:ASUS M2A-VM HDMI
CPU:AMD Athlon X2 BE-2350
MEMORY:A-Data PC2-6400 512MB×2
HDD:Seagate ST3160812AS
ODD:LG GSA-H58N

ケースはこういった省電力PCにはコンパクトなタイプが合いそうなので、Primeに最近登場したJDシリーズ用ケース(右のケースはGWマイクロ)をゲット。 このケースは、省スペース用のスリムタイプとほぼ同じ容量(スリム:約13.7L、JD用:約14.3L)でも、フルサイズVGAや2台目のHDDが搭載可能という拡張性が魅力。いざとなればゲームPCにもなるくらいです。 ※フルサイズVGAは補助電源を使用しないタイプを推奨。

消費電力の測定には、このワットチェッカーを使用。


測定方法は、ワットチェッカーをコンセントに取り付け、そこから電源ケーブルをPCへ。

あとは「WATT」ボタンを押し、パネルを見ればOK。
●あっけなく成功!
では、PCも出来たことですし早速起動!
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4 5 W ?
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……何事もなく目標達成。起動した直後とはいえ50Wを切ってるし。
とはいえ、何もしていないアイドル状態の結果だけでは意味がありません。
さまざまな条件で消費電力がどう変動するか、見ていきましょう。
まずはCPUとメモリから。
1.CPUのみ負荷:74〜76W
StressPrime2004で、CPUのみ負荷を掛けました。
この負荷は最高レベルで、CPU使用率はもちろん両方のコア使用率が100%になります。
消費電力は30W上昇。もともとTDP45WのCPUですので、CPUだけでの負荷ではこれ以上の電力アップはないでしょう。
2.CPUとメモリに負荷:79〜80W
同じツールを使い、今度はCPUとメモリに負荷です。CPUのみの負荷より少々アップ。
次はドライブ関係をチェック。
3.CDを挿入:挿入直後の全力回転時75〜78W、インストール時52〜54W
アプリケーションCDを入れると、いわゆる最初の高速回転時は消費電力が跳ね上がります。
ただしそれ以外は10W以下の上昇です。
4.HDDアクセス(Fdbench使用):53〜56W
アイドル時より8Wほどアップ。
最後にグラフィック関連です。
5.3DMark06:73〜74W
チップセット内蔵グラフィックには重い処理といえますが、意外なことに1のCPU全力より低電圧でした。
まあ、内蔵ビデオ機能が頑張っても消費電力はさほどではない、かつ3Dmark06だけではCPUが全力稼動にならないということでしょう。
おまけに複合テスト
6.CPU&メモリ負荷をかけながらCD作成:CD挿入直後97W、書込み時88〜90W
2と3を一緒に再挑戦。理論上は100W越えの予定でしたが、97Wでした。
7.StressPrime2004 & 3DMark06:84〜90W
実施前は期待しましたが、意外と伸びず。冷静に考えれば、マザーボード搭載のグラフィック機能はビデオメモリをメインメモリから使用するわけで、
メモリにも多大な負荷をかけた2のテストより大きくアップすることはないわけです。

テストでは、CPUメモリ負荷&CD挿入がもっとも電力食いと判明。まあCDは認識の間だけなので数秒間ですが。
●今の時代なら簡単に省電力PCが作れます。
という訳で結論を。
ここ最近のCPUは、性能だけでなく省電力をアピールしている製品が増えており、
これらのCPUとVGA内蔵マザーボードをセットにすれば容易に100W以下(条件次第ではオーバーするかも)のPCが作れるということです。
ここではAMDプラットフォームのみでしたが、インテルならPentium Dual-Coreが省電力デュアルコアCPUですので、このCPUをメインにすれば大丈夫でしょう。
現在販売中の主な省電力CPUとグラフィック機能内蔵チップセット一覧を載せますので、購入時の参考にしてください(シングルコア含む)。
※Pentium Dual-CoreはTDP65Wですが、各種レポートでは45Wクラスという評判です。
AMD・Intelの主な省電力CPU
CPU名 | CPU型番 |
---|---|
AMD Athlon X2(デュアルコア) | BE-2300・2350・2400 |
AMD Sempron LE(シングルコア) | LE-1150 |
Intel Pentium Dual-Core(デュアルコア) | E2140 E2160 E2180 |
Intel Celeron(シングルコア) | 420 430 440 |
※省電力のCeleronは、Coreアーキテクチャの製品(製品番号400番台)に限ります。
AMD・Intelの主なグラフィック内蔵チップセット
プラットフォーム | チップセット名 |
---|---|
AMD | AMD690シリーズ GeForce6000シリーズ・7000シリーズ |
Intel | Intel945GC・G965・G3シリーズ GeForce7000シリーズ |
ではこれにて終了。
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と思ったのですが、ここで「アイドル時とはいえ50Wを切るくらいなら、
エントリークラスのビデオカードを搭載しても普段は100W以下で済むのでは?」という期待が湧いてきました。
とくればさっそくチェックをせねば気が済みませぬ。

増設したVGAはPalit GeForce8400GSです。
では再び開始!
アイドル時:57〜60W
3DMark06:MAX92W
チェックした状況は2種類ですが、
なんと、ビデオカードを増設後3DMark06を実行しても、100Wには届きませんでした。
アイドル時の結果が標準より15W程度高いため、今度こそCPUメモリ負荷&CD読み込みをすれば100Wになると思いますが、
ここまできたらもう満足。野暮なことはいいっこなしです。
※8400GSの3D性能は、最新3Dゲームでバリバリ遊ぶ! とはいきませんが、
内蔵グラフィックより格段に性能アップしますし、設定さえ軽めにすればオンラインRPGも遊べます。
もちろん2Dゲームや、コーエー・日本ファルコム作品によく見られる「ある程度の3D」ゲームも問題ありません(「イース・オリジン」はインテル915チップセット内蔵のノートPCで解像度1024×768でのプレイが可能でした)。
チェック前は、負荷をかけての100W以下はきついかと思っていたものの、
余裕で片が付いておまけ付きという嬉しい誤算にほくそ笑みながら、今回の製品レビューは終了です。
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1. 消費電力100WのオールラウンドPC。 [ Blogフェイストゥネットワークス ] 2007年10月28日 20:35
こんばんは。家庭用ゲーム機より消費電力が低く、DVDも見られる自作PCは、製作可能である。以下、ドスパラ製品レビューブログからの引用です。消費電力100WのオールラウンドPC。以上、引用でした。自作PCって、意外に消費電力が低いんですね・・・。こういう記事を見ると...
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