Blu-ray(HD DVD)の快適再生&トラブル回避法


GeForce8400GS(写真右)
メーカー名&URL
GGW-H20N:LG電子 http://jp.lge.com/index.do
GeForce8400GS:各社ご用意
こんにちは、GWも終わりいよいよ暑くなるかと思いきや、冷え込んだりまた暑くなったりと困惑している(酒)です。
今回は、いよいよ普及が本格化してきたBlu-rayドライブについて触れてみましょう。
Blu-rayを(HD DVD含む)PCで再生するには高スペックPCが必要なため、ドライブを購入したもののコマ落ちやエラーで悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
という訳で、ここではトラブル対処法やより快適に再生できる方法を紹介していきます。
●まったく再生できない場合
※主な対象者:HDCP非対応ディスプレイ使用者。ディスプレイは対応だが、グラフィック出力にインテル系のオンボードVGAを使用している方。AMDやNvidia製でも古い製品を使っている方。
まずは映像ソフトの再生ができない場合です。
今回用意したBlu-rayドライブは、

3万円を切る価格ながら、Blu-ray再生&書込み/HD DVD再生に対応することで人気の
LG製 GGW-H20N

再生ソフトはドライブ付属の「CyberLink:PowerDVD Ultra(バンドル版)」です。

そして映像ソフトは、Blu-rayの「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」です。
(C)Disney.

再生ソフト起動時に警告が出て再生できない方は、
ビデオカードやディスプレイがHDCP(High-bandwidth Digital Content Protection system:著作権保護システムの1つ)に対応していない可能性が高く、
こうなるとビデオカードやディスプレイをHDCP対応製品にするしかありません。
なお、マザーボードにPCI-Exppress x16スロットがあるなら、HDCP対応ビデオカードを増設すれば再生可能になります。
「ビデオカード買っても3Dゲームやらないし、追加出費はそんなにしたくない」という方は、 GeForce8400GS・RADEON HD3450など、 4,000円程度から購入可能なエントリー向け製品がオススメです。
ディスプレイが原因の方は、例えば20インチワイド以上の液晶ディスプレイならHDCP対応製品がほとんどですので、この中からぜひどうぞ。
※条件を満たしているのに再生できない場合は、後述の「●再生できても映らないシーンがある、途中でエラーが発生する場合」をご覧ください。
●コマ落ちが激しい方は
※主な対象者:HDCP対応ビデオカードを使用しているが、製品の世代が古い方。CPUスペックやメモリ容量が少ない方。
コマ落ち最大の理由は、やはりPCのスペック不足が考えられます。
いわゆるBlu-rayの再生には、
・CPU性能
・メモリ容量
・ビデオカードの動画再生支援機能
上記3つが揃っていないとコマ落ちの危険があります。
特に動画再生支援機能は重要です。これはAMD(ATI)の「UVD」、Nvidiaの「PureVIDEO」と呼ばれるもので、 この機能を持つビデオカードなら、CPUが最新製品でなくても動画を滑らかに再生しやすくなります。
そして、動画再生支援機能を持つビデオカード(マザーボード)なら、世代が新しい製品ほど高機能です。
※同じGeForce・RADEON HDでも、Blu-ray再生に必要な再生支援機能を持つのは、GeForce8・9シリーズ、RADEON HD2x00・3x00シリーズ(一部非対応製品があるので注意)です。
では、実際に支援機能の効果を見てみましょう。
用意したPCは、
・マザーボード:ASUS P5KPL-VM(G31チップセット)
・CPU:Core 2 Duo E8200
・メモリ:A-Data PC2-6400 1GB×2
です。

「パイレーツ・オブ・カリビアン」は、最初の霧中を進む船のシーンでコマ落ちしやすく、このシーンでのCPU使用率をタスクマネージャで確認します。
念のため、最初にHDCP非対応のG31オンボードVGAで再生したところ、予想通りだめでした。先述のエラーメッセージが表示されます。
そこでGeForce8400GSを搭載したところ無事再生できました。CPU使用率は20〜24%です。

オンボードVGAに動画再生支援機能を持つ、AMD 780Gチップセットでも試してみました。スペックは以下のとおり。
マザーボード:BIOSTAR TA780G M2+
CPU:Athlon64 x2 5600+
メモリ:A-Data PC2-6400 1GB×2
CPU使用率は40〜45%です。GeForce8400GS搭載PCよりCPU使用率が高いとはいえ、オンボードVGAでもコマ落ちしないのは立派。
デュアルコアCPUでの再生は問題がないため、今度はシングルコアで再生にチャレンジです。
8400GS搭載PCのCPUを、Celeron 460に交換して問題なし。CPU使用率は50%ほどで、もちろんコマ落ちもありません。
という訳で、動画再生支援機能があれば、CeleronクラスのCPUでもBlu-rayを視聴可能です。パーツ購入時はビデオカードを優先すると良いでしょう。 なお、メモリ容量ですが、Blu-ray再生中はメモリ消費量が900MB以上になります。最低でも1GB、再生中にその他の作業もする事を考えるなら2GBは搭載してください。
●再生できても映らないシーンがある、途中でエラーが発生する場合
※主な対象者:ドライブ購入直後の方、ビデオカードのドライバが古い方。
HDCPもPCスペックも条件を満たしているのに映像が出ない(音声だけ再生される)、ソフトがエラーで止まるなどの症状が発生する場合は、 再生ソフトやビデオカードドライバのバージョンが古い可能性があります。
例えば、今回の再生ソフト「PowerDVD Ultra(バンドル版)」の場合、
ビデオカードがRADEON HD 3000シリーズ(780GチップセットのHD3200も含む)だとインストール直後は再生時に不具合が発生しましたが、アップデート後は大丈夫になりました。
※この症状は、「パイレーツ・オブ・カリビアン」だけでなく、HD DVDの「ラスト サムライ」でも確認。
なお、GeForce 8400GS、RADEON HD 2600Proではインストール直後でも再生できました。
搭載ビデオカードとPowerDVDの関係は以下のようになります。
PowerDVD | インストール直後 | アップデート後 |
---|---|---|
GeForce8400GS | ○ | ○ |
RADEON HD2600Pro | ○ | ○ |
RADEON HD3450 | ×映らない | ○ |
RADEON HD3650 | ×映らない | ○ |
780G(HD3200) | ×ハングアップ | ○ |
※RADEONのビデオドライバは最新のCatalyst 8.4で確認。RADEON HD3000シリーズ全製品でこの症状が発生するとは限りません。
何かトラブル発生時は再生ソフト・ビデオドライバを更新してみてください。
このように、DVDより再生のハードルが高いBlu-rayですが、一度環境が整えばDVDより圧倒的に美しい映像を視聴することができます。
PCでBlu-rayを見たいという方は、今回の結果をぜひ参考にしてください。
私もドライブを買って衝動買いしたHD DVDビデオを見まくるかな、という決意を固めたところで今回のレビューは終了です。
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