地デジチューナー購入ガイド(前編)
このところPCパーツで話題の製品といえば、地上デジタル(以下:地デジ)チューナーカードでしょう。
とはいえ、チューナーカードを取り付ければ、即デジタル放送を楽しめる訳ではありません。
自宅の地デジ受信状況、そしてディスプレイ・ビデオカードがHDCP対応しているか。 といった条件をクリアする必要があり、この点が分かりにくいと思われているようです。
という訳で、今回は地デジチューナーカードを購入したい方のため、自宅の受信環境やPCのチェック方法について解説します。
とはいえ、チューナーカードを取り付ければ、即デジタル放送を楽しめる訳ではありません。
自宅の地デジ受信状況、そしてディスプレイ・ビデオカードがHDCP対応しているか。 といった条件をクリアする必要があり、この点が分かりにくいと思われているようです。
という訳で、今回は地デジチューナーカードを購入したい方のため、自宅の受信環境やPCのチェック方法について解説します。
チェックでは、自宅のデジタル番組の受信環境と、PCのHDCP対応かの両方を知る必要があります。調べたい項目を選択してください。
■自宅がデジタル放送に対応しているかを確認
自宅がテレビアンテナの場合
自宅がケーブルテレビの場合
■PCがHDCP対応かを確認
液晶ディスプレイ
ビデオカード
●自宅がデジタル放送を受信可能か?
まずは家で地デジを受信できているかを知っておきましょう。
これは受信方法がテレビアンテナかケーブルテレビかでチェック方法が異なります。
テレビ受信がアンテナの場合
1.自宅が放送エリア範囲内かを検索
まずは、(社)デジタル放送推進協会(Dpa)のHPへ
HPはこちら
HPでは、「地デジ放送エリアのめやす」をクリック
↓
自宅の郵便番号や住所を入力(画面は秋葉原の郵便番号)
このページへの直接リンクはこちら
↓
住所を確認し「地図を表示する」をクリック
↓
最寄の中継局(タワー型アイコン)をクリック
↓
自宅のマークが塗りつぶされていれば放送範囲内です。
2.アンテナがデジタル対応かをチェック
放送範囲内でも、家のアンテナ次第では地デジを受信できません。
通常のアナログ放送は「VHF波」、そして地デジは「UHF波」を使用しています。
※地方ローカル局はUHF波も使用。
家のアンテナが「VHF」のみ対応だと、地デジは映りません。
さらに、「UHF波」アンテナでも、古いアンテナではダメな場合があり、また対応していてもアンテナの向きを変えなければならない場合があります。
なお、「UHF波」のローカル局が見られる方でも、そのアンテナはUHF→VHF変換アンテナの可能性があります。
主にマンションなどの共同住宅に多いアンテナですが、この場合、地デジを見るためには新たな増幅器が必要な事もあります。
アンテナが屋上にあるため見えない、詳しい構造や方向が調べられない、という方は
・大家や不動産屋、管理組合(集合住宅の場合)にアンテナの詳細を聞く
・業者に依頼(検索サイトで「地デジ アンテナ 調査」などのキーワードを入力すると対応業者を検索できます)
といった方法が安全かつ確実です。
先述の(社)デジタル放送推進協会(Dpa)のHPにも、「地デジを見るには?」というページでチェック方法が載っているので参考にしてください。
テレビがケーブルテレビの場合
自宅がケーブルテレビの方は、そのケーブルテレビ局がパススルー対応、非対応かで対処方法が異なります。
パススルー対応の場合は、一部の局を除き問題ありません。ケーブルテレビの線を「セットトップボックス(STB)」に繋げ、 そこからキャプチャーカードやテレビに接続(デジタル放送用信号はアンテナ線、ケーブルテレビ用信号は外部入力端子へ別々に接続)という方法になります。
※一部の局は電波の送信仕様が異なるため、デジタル番組の受信ができません。該当する方は、局に問い合わせてください。
非対応の方は、「周波数変換パススルー非対応式」のはずです。
この場合はSTBからテレビへアンテナ線の接続がなく、デジタル放送もケーブルテレビ信号も一緒にS端子やD端子などの外部入力端子で接続します。
そのため、テレビがデジタル放送に対応しなくても、テレビに外部入力端子さえあれば地デジを視聴できますが、 デジタル放送信号をアナログに変換しているので本来の画質ではありません。
また、外部入力端子のみで繋げるということは、キャプチャーカードも地デジ対応製品でなくても構わず、
逆に地デジチューナーカードを購入しても、外部入力端子がないカードでは地デジを視聴できません。
このように、「周波数変換パススルー非対応式」の方は特殊な環境となりますのでご注意ください。
デジタル受信のチェックでは、
分からないことは無理に自分だけで解決しようとせず、ケーブルテレビの会社やマンションの管理組合といった外部に聞くことをオススメします。
そして、調べた結果非対応だった方は、やはり業者や管理組合、ケーブルテレビ局に相談して、アンテナ購入などの対応を行ってください。
●ビデオカードやディスプレイはHDCP対応か?
自宅の環境を確認したら、今度はPCをチェックしましょう。
地デジの視聴には、チューナーカードの他にHDCP対応ビデオカードと液晶ディスプレイが必要です。
これは前回のレビューとほぼ同様です。
これから対応機器を購入する場合は、
液晶ディスプレイ:19インチワイド以上
ビデオカード:GeForce 8・9・GTX・GTシリーズ、RADEON HD2000・3000・4000・5000シリーズ
ビデオカード機能内蔵マザーボード:AMD780G・785G・790GX、GeForce8200・Intel H55(Clarkdale搭載時)
などから選んでください。
とはいえ、これらの機器にもそれぞれ注意点があります。
1.液晶ディスプレイ
ディスプレイは19インチワイド以上と書きましたが、20インチ以上の製品でもスクエア(解像度が横4:縦3、もしくは横5:縦4の製品)はNGです。
※19インチワイド以上でもHDCP非対応の製品がありますが、対応製品ならパッケージやメーカー・販売店のHPなどに記載がありますのでごご覧ください。
ドスパラ液晶ディスプレイ通販コーナーはこちら
なお、地デジを始めとするデジタル放送は、解像度が1920×1080ですが、
(東京を中心とする一部地域は、地デジの解像度が1440×1080となります。これは東京など地デジの導入が早かったテレビ局は、1440×1080対応だった当時の機材を使い、後から参入した地方は最新機材のため1920×1080に対応しているから。と某P社の方よりお聞きしました。)
地デジとBSデジタルは解像度は同じでもビットレートが異なり、両者を最高画質で録画するとBSの方がデータ量は多くなります。
※BD-Rには、地デジとBS/110度CSデジタル両方の録画可能時間が載っています。
一般的なPC用の液晶ディスプレイで縦の解像度が1080以上欲しい場合、24インチワイド(1920×1200)以上の製品が必要です。
(主な19インチワイドの解像度は1440×900、20〜22インチワイドは1680×1050)
22インチワイド以下の液晶ディスプレイでもデジタル放送は視聴できますが、画面の解像度に合わせて動画がリサイズされるため、画質が少し劣るかもしれません。
デジタル放送を本来の画質で楽しみたい方は、24インチワイド以上のディスプレイを選ぶと良いでしょう。
2.ビデオカード
これからビデオカードを買う方は、上記のシリーズを選べば問題ありません。
(念のため「HDCP」の表記を確認ください)
GeForceの8シリーズは、HDCP対応・非対応の製品が混在しているので確認が必要です。
※ちなみに、ワッシーが購入した「GeForce8600GT」はHDCP非対応だったらしく、「先日地デジチューナーカードを買ったけど、ビデオカードがHDCP非対応なので映りません……」と言っていました。皆さんも確認をお忘れなく。
なお、ビデオカード内蔵マザーボードで表示したい方は、最新チップセットでHDCP対応のシリーズを選ぶのが良いでしょう(こちらも確認を忘れずに)。
ビデオカードや液晶ディスプレイが古い、また箱を捨ててしまったなどの理由でHDCP対応か分からない場合は、
アイ・オー・データ
バッファロー
が配布しているチェックツールを使うのも手です。
ここではアイ・オー・データのツール「mAgicTV Digital Checker ver1.00」を試してみました。
用意したPCは
マザーボード:BIOSTAR TPOWER N750
CPU:Athlon64 x2 4600+
メモリ:A-Data PC2-6400 1GB×2枚
ビデオカード:オンボード
液晶ディスプレイ:BENQ FP241W
HDCP対応の構成です。
スペックは問題ないのにNGでした。これはマザーボードとディスプレイがD-sub(アナログ)接続だからです。
という訳でDVIケーブルに交換したところ無事合格。
※本ツールはあくまでアイ・オー・データ社の地デジチューナーカード
GV-MVP/HS
が使用できる環境かをチェックするもので、他社にはアナログ接続でも使用可能なものもあります。
また、製品によっては、同じデジタル出力なのに、DVI接続はOKでもDVI→HDMI変換コネクタを使うとNG、といった事例も起こりえます。
とにかくおかしいと思ったら、変換コネクタやディスプレイ切替機を外して、直接PCとディスプレイを接続してみましょう。
とはいえ、ディスプレイがHDCP非対応の場合、ちゃんと「HDCPに対応していません」と表示されるなど、機器のチェック用としてなかなか便利なツールですので、ぜひ活用してください。
以上、デジタル放送の受信とHDCP、両方のチェックが完了しました。
次回は実際に地デジチューナーカードをチェックしますのでご期待ください。
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