地デジチューナー購入ガイド(中編)

メーカー名&URL
PIXELA:http://www.pixela.co.jp/
先週地デジ導入前チェックを無事終えましたので、今回はチューナーカード選びのコツと購入後の注意点を解説します。
●何を観たいか、そして主な使い方は?
これは地デジチューナーカードに限った話ではありませんが、まず何を観たいかで選ぶ製品は異なります。
主な用途だけでも
・地デジのみ
・BS・110°CSデジタルも観たい
・地デジと地上アナログが観たい
(今は地デジが観られないのでアナログだけでよいが、近い将来地デジも観たい)
・当分地上アナログのみで良い、地デジなどは後で考える
・テレビだけでなく古いビデオテープの映像を取り込んでDVD化したい
といった選択肢があります。
※ちなみに、デジタル対応チューナーカードには、デジタル1波・3波対応という製品があります。
1波が地デジ専用、3波は地デジ・BS・110°CSにも対応です。2波の製品はありません。
地デジと地上アナログ両対応の製品も発売されていますが、これも2波とは言いません。
何を観たいか決めたら、次は使い方を確認し、その用途に合う製品を選びましょう。
ここでは主なチューナーカードの機能を紹介します(アナログチューナーカードの機能も含む)ので、参考にどうぞ。
・チューナーカードのハードウェアによる機能
ハードウェアエンコード:TV番組などをハードディスクへ保存時に、動画フォーマット変換を専用チップ(ハード)で行うため、CPU負荷が減ります。専用チップを持たず、処理をCPUが行うカードはソフトウェアエンコードとなります。
ゴーストリデューサ:アナログ放送で発生するTV画面の多重映り(ゴースト)を抑えます。
タイムベースコレクタ:古いビデオテープを再生した時などに発生するゆがみ(画面の上下に出やすい)を補正します。
3次元Y/C分離回路:色にじみを抑制。
デジタルノイズリダクション:画面のノイズやざらつきを抑制。
ダブルチューナー:アナログ×2 地デジandアナログ などチューナーを2つ搭載し、裏番組視聴録画や、2番組同時録画が可能。
高画質化機能(名前はメーカーごとに異なる):映像のジャギー(輪郭部分などに発生するギザギザ)をなめらかにするなどの処理を行います。
・付属ソフトウェアによる機能
EPG:テレビ電波から番組表を受信し、チューナーカード付属のソフト上で予約録画が可能。
※これがEPG画面です。見たい番組名をクリックすると、録画開始・終了時間、番組内容といったデータが読み込まれ、あとは録画画質などを選択すれば予約が完了します。
iEPG:インターネット上にある番組表から予約録画が可能。
メール予約録画:TVソフトとメーラーを連携させ、外出先からPCへ時間やチャンネルを指定したメールを送ると予約録画ができます。
タイムシフト:番組視聴時に、映像を一時的に録画しておく機能。急な来客などで席を外して戻った時に、流れてしまったシーンをすぐ確認できます。
番組追従・スポーツ延長:野球延長等が理由で、予約録画した番組の開始時刻がずれ込んでも、自動的に調節してくれます。
おまかせ録画:「スポーツ」「時代劇」などのキーワードを入れると、該当する番組を自動的に録画します。人名を登録すると出演番組を録画する製品もあります。
リリーフ録画:録画中のハードディスク容量が少なくなった場合、自動的に録画先を他のハードディスクに変更して録画を続けます。
ホームネットワーク:録画した映像をネットワーク上のPCに配信。またネットワーク上のPCからTVソフトを起動して視聴・録画が可能です。
チューナーカードによって搭載機能が異なるほか、対応OSにも違いがあるので、メーカーHPや製品パッケージをよく確認してください。
※例えば、予約録画とビデオテープのDVD化が多い人は、EPG・iEPG、そしてタイムベースコレクタ機能があると良いです。ただし、ビデオを繋げるという事は、外部入力端子が必要な点もお忘れなく。
とりあえず今回も地デジの話ですので、 まずチューナーカードはPIXELAの1波対応製品
PIX-DT050-PP0
をゲット。
さらにチェック用PCとして、 マザーボード:ASUS M3A78-EMH HDMI(チップセット:AMD780G)
CPU:Athlon64 X2 5600+
メモリ:A-Data PC2-6400 1GB×2
HDD:SAMSUNG HD501LJ
光学ドライブ:LG GH20N
ビデオカード:オンボード
という1台を用意しました。
●地デジチューナーカード購入後の注意
地デジチューナーカードは、PCがHDCP対応でも、その他の理由で使用できないことがあります。
ここではその例を紹介します。
・スピーカーはアナログ出力で

地デジチューナーカードは、マザーボード上のS/PDIFやUSBにスピーカー・ヘッドフォンを接続、逆に何もスピーカーを接続しない時は、ほとんどの製品は使用不可(アイ・オー・データ社のGV-MTV-HSはS/PDIF出力も対応)です。
※アナログ接続のスピーカー・ヘッドホンなら大丈夫です。
これは、(社)デジタル放送推進協会(Dpa)による「ダビング10に関する運用規定」が絡んでいるようです。
※ダビング10とは、現在コピー不可なデジタルハイビジョン映像を「コピー9回+ムーブ1回」まで可能にする規格です。
「ダビング10対応番組をデジタル音声で出力すると1世代のみコピー可」となるため、
デジタル接続のスピーカー使用時に録画した映像は、「コピー9回・ムーブ1回」ができないのでは? とメーカーが認識したため、アナログスピーカー接続のみ対応なのではと考えられています。
・カードを搭載した状態からPCが変わると、録画した映像は再生不可
例えば、
今のPCに地デジチューナーカードを入れて使う。
↓
PCが壊れた・世代交代にて買い替え。
↓
新PCにチューナーカードと今まで動画を保存していたHDDを取り付け。
↓
録画していた動画が再生できない。
のように、コンテンツ保護のため、PCが変わると今までの録画映像は視聴できなくなります。
ここで気になるのが、「自作PCにチューナーカード取付け後に、CPUなどを入れ替えるとどうなる?」ということです。

ではチェック開始。
・メモリ交換
A-Data PC2-6400 1GB×2 → SAMSUNG PC2-6400 2GB×2:OK
・CPU交換
Athlon64 X2 5600+ → Phenom X4 9550:OK
・ビデオカード増設
オンボード → RADEON HD3450:OK
・CPU、メモリ、ビデオカードの3種類を交換:OK
今回の結果を見る限り、地デジチューナーカードを導入後、PCを少々強化する程度は大丈夫のようです。
※他のチューナーカード・PCでも同じ結果とは限りません。マザーボード・OS入りHDD交換に関しては、次回実施予定です。
なお、チューナーカードが壊れた場合、同じ製品を購入しても録画データは再生できなくなります。
●編集・ダビングは「まだ」非対応
これは各種ニュースサイトなどで触れられていますが、現在の製品では、CMカットなどの編集、そして録画したハイビジョン画質のままBlu-rayへのダビング(コピー)はできません。
現在は、編集していない映像を、SD画質(いわゆるDVD画質)へ変換してのムーブ(DVDやBD-Rに映像を移動すると、HDD内の元データが消える)のみ対応という状況です。
編集はともかく、ハイビジョン画質のダビングは、ダビング10が解禁されない限り使用できません。
各社製品ともダビング10解禁次第、ソフトウェアのアップデートで対応予定ですが、5/13の
「情報通信審議会 情報通信政策部会 デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会」において、
6/2の解禁日が延期となったため(新日程は白紙)、ダビングが出来るのはまだ先のようです。
※北京オリンピック開催までに解禁を目指しているようです。
ただし、ダビングが出来ないのはハイビジョンレコーダーも同じため、チューナーカードの問題ではありません。
ダビング10解禁を期待して待ちましょう。
今回地デジチューナーをチェックして思ったのが、電波受信状況やPCのチェック、さらに「ダビング10」をめぐる混乱など、
確かに最初は「アナログチューナーと比べて最初は手間がかかる」ということです。
それでも、アナログでは得られない「ゴースト無し・高解像度」の映像を見てしまうと、手間を踏んででも地デジにしたくなるはずです。
という訳で、家のテレビ録画環境がアナログチューナー内蔵ノートPCという私としては、これを機会に地デジ対応カードを買おうかなと思いました。
ただし、メインPCのOSが64ビット版XPのため各社製品が対応しておらず、まずはOSをどうするかと悩み始めたところで今回のレビューは終了です。
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