667GBプラッタ採用ハードディスク「WD20EARS-00MVWB0」の速度検証

概要 WD20EARS-00MVWB0

メーカー名&URL
Western Digital:http://www.wdc.com/jp/

価格:10,470円(6/4現在)

どうも、半年前にやめたはずの某ネットワークRPGですが、
大型アップデート記念で、大量の経験値がもらえるクエストが再度受けられると聞いた瞬間に復帰という、
意志の弱さを露呈しまくった(酒)です。

今回は、約1万円で2TBが買える! という事で人気のハードディスク、
WestrenDigital:WD20EARSに、新モデルが登場しましたので早速検証してみます。





●Advanced Formatの特徴を再確認
このWD20EARS-00MVWB0は、 WestrenDigitalの省電力を重視したハードディスク
「Caviar Green」シリーズの最新製品で、容量は2TBと従来の「WD20EARS-00S8B1」と同じですが、
プラッタ1枚辺りの容量が667GBに増え、枚数が3枚に減りました。
※プラッタの解説は こちら!

なお、本製品はAdvanced Formatを採用しています。
Advanced Formatは、そのままXPで使用すると速度(特に書込み)が激しく低下すると
WD10EARSの紹介時にも解説しましたが、ここで再度確認してみます。

Advanced Formatとは、
従来のハードディスクが1セクタ:512バイトで物理フォーマットされているのに対し、
1セクタ:4KB(4096バイト)で行う技術です。
利点としては、ネット情報によると同じ容量のデータを記録する場合に記憶領域を節約でき、
その節約部分の一部をECCに割り当て、エラー回復率アップと信頼性向上が見込めます。

ただし、Advanced Formatは新技術のため、Windows XPなど古い一部OSでは対応しておらず、
XPで使用すると本来の性能が発揮できません。
WD10EARSの記事中の計測では、ランダム書込みが極端に遅くなっています。
※WD10EARSの記事は こちら!



XPでも問題なく使いたい場合は、ジャンパーピンを取り付けるか、
WestrenDigitalのツール、「WD Align System Utility」をXPにインストールして実行する事が必要です。
※インストールだけでは効果がありません。

なお、それぞれの方法には一長一短がありますので、どちらにするかは使用目的などを考えて選択してください。
長所
・ジャンパーピン:取り付けは簡単で、一度付ければ普通のハードディスクと同じく使用可能。
・WD Alignツール:別途ジャンパーピンの購入が不要。
         マルチブート環境や、複数のOSで使う外付けドライブにも利用可能。
短所
・ジャンパーピン:ピンが別途必要。ピンを付けると逆にWindows Vista・7で遅くなる場合あり。
          ピンの着脱時に初期化やフォーマットが必要のためデータが消えます。
          メーカーの説明文では、複数パーテーション分割や、USB外付けドライブ用として非対応。
・WD Alignツール:ツールのインストールや実行で、処理に数十分必要。
          XP起動用ドライブとして使う場合、最初のOSインストール時間が通常の数倍かかります。


ジャンパーピン
なお、ジャンパーピンの取り付け位置は写真の通りです。



●本製品とXPの組合せは新たな注意点あり
Advanced FormatとXPでの注意点は上記の通りですが、本製品の場合もう一つあります。

それは、もし以前にWindows XPでの使用を目的として500GBプラッタのAdvanced Formatハードディスクを購入し、
その時にWesternDigital製ツール「WD Align System Utility」をダウンロード済みの方は、
バージョン次第では本製品には使えません。

WD-TOOL_03
本製品では、ツールのファイル名が
「PAT-WD_AFD_Edition_x32_1.10571.40.msi」
の旧バージョンをインストールしても、実行中に「AdvancedFormatじゃない」というメッセージが出て
処理が進みません。


WD-TOOL名
現在ダウンロード可能なファイル(2010/6/1現在)は、
「PAT-WD_AFD_Edition_x32_1.10571.41.msi」
ですので、こちらをインストールすればOKです。
※今回使用したファイルは32bit OS用です。64bitの方は、別途ファイルをダウンロードして下さい。


なお、ツールの適用前後で速度は以下の様になりました。

XP適用前 ・ツール適用前


XP適用後 ・ツール適用後




●従来製品からの速度向上を確認
次に、本命のWindows 7環境で、従来の500GBプラッタ製品と比べ速度がどう変わったのか見てみましょう。

使用PCは、
マザーボード:ASRock H55DE3
CPU:Core i7 870
MEMORY:PC3-10600 2GB×2
ビデオカード:GeForce GT240
OS:Windows 7 Ultimate

チェック方法は、最初に定番のベンチマーク2種類。
・CrystalDiskMark 2.2
・ATTO Disk Benchmark

そして実際のソフト起動時間やデータコピー計測。
・LineageII起動時間
※スタートメニューで「スタート」を押してから、タイトル画面が表示されるまでの時間。
OS起動直後と、タイトル表示後ゲームを終了し、すぐ再起動の2回を計測。
・同一ディスク内データコピー
※ファイル数2,399、容量10.6GB

さらに、プラッタ枚数の違いは重量にも影響しますので、こちらもチェックしています。

旧20EARS ・500GBプラッタ

新20EARS ・667GBプラッタ


  LineageII起動時間 データコピー時間 重量
500GBプラッタ 28秒・15秒 5分27秒 740g
667GBプラッタ 27秒・12秒 4分52秒 605g

500GBプラッタ製品と比べ、ベンチマーク・データコピー・LineageIIの3項目がそれぞれ速くなりました。
重量も130g程度軽量化しています。
※6/10 LineageII起動時間を修正しました。

結果として、667GBプラッタのWD20EARS-00MVWB0は、従来製品より「速く軽く」なり、使い勝手が向上しました。
ただし、新製品ゆえに通販価格は従来製品より少し高くなっています。
もし2種類とも売っている状況でどちらかを購入したい場合は、
・「速度差があまり無いならとにかく価格重視」で行きたい方は従来製品。
・OSやゲームもインストールするので、少しでも速い方が良いなら新製品。
という様に、用途や予算を考えて、希望の製品をお選び下さい。


■今回紹介した製品
WD20EARS-00MVWB0


その他記事一覧は こちら



Posted by dospara_review at 13:48Comments(0)TrackBack(0)ハードディスク | 耳より情報2010年06月04日
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