3TBハードディスクの使用法大検証、2TBの壁も再チェック

製品写真01 WD25EZRS・WD30EZRS・HDS723030ALA640

メーカー名&URL
WesternDigital:http://www.wdc.com/jp/
日立GST:http://www.hitachigst.com/portal/site/jp/

価格:現在販売中の3TB製品はこちら!

どうも、最近寒い日が続くため、
早くも最終兵器のコタツを準備しようかと思いましたが、強い意志でなんとか踏みとどまった(酒)です。

先週末から今週にかけて、ついに2TBの壁を超えるハードディスクが発売されました。
2TBの壁の記事が好評頂いている当コーナーとしては、触れない訳には行きません。
という訳で、早速2.5TBと3TBのハードディスクを入手して色々と確認してみました。

なお、姉妹サイトの「パーツの犬」がツイッターを始めましたのでぜひご覧下さい。
※パーツの犬ツイッターは こちら!





●「2TBの壁」と対処法を再確認
これらのハードディスクを扱う前には、
やはり2TBの壁を知っておく必要があると思いますので再度解説します。
※以前の2TBの壁&RAID方法解説記事は こちら!

2TBの壁とは、OSやマザーボードの仕様の都合で、壁を超える製品を使えない、
使えても壁を超える部分は認識しない問題です。
ちなみに壁における2TBとは、実容量2.19TBとなります(OS上の表記は2TB)。
現在発売中の2TB製品は、実容量(OS表記)が約1.81TBのため、壁には当たりません。

なお、壁の原因には以下の2種類があります。
1:MBR(MasterBootRecord:マスターブートレコード)問題
 MBRはハードディスクの先頭にあり、OSをどうやって起動するか、
このハードディスクがいくつのパーテーションに分かれて、
 各パーテーションの容量がどれくらいか、といった情報が書き込まれています。
 MBRが管理できるセクタ数が4,294,967,296(約43億)、1セクタが512バイトなので、
 管理可能な容量は4,294,967,296 × 512 = 2,199,023,255,552(約2兆2000億)バイト、
 つまり2TBとなります。
※バイト数と容量について
 1KB(キロバイト):1,024バイト
 1MB(メガバイト):1,024 × 1,024 =      1,048,576バイト
 1GB(ギガバイト):1,048,576 × 1,024 =   1,073,741,824バイト
 1TB(テラバイト):1,073,741,824 × 1024 = 1,099,511,627,776バイト
 2TBはその倍となるため、               2,199,023,255,552バイト


2:10バイトCDB(Command Descriptor Block)問題
CDBとは、データ転送する際に「こういうデータを送ります」、という信号です。
現在の10バイトCDBだと、ハードディスクの先頭から4,294,967,296セクタまでしか管理できないため、
MBRと同様2TBが限界となります(64bit OSのCDBは16バイトです)。
※MBRとCDBの両方で出た「4,294,967,296」という数値ですが、これは2の32乗、
  つまり32ビットということです。



対応方法は、WindowsXP 64bit・Vista・7が持つ管理方法である、
GPT(GUID partition table:GUIDパーテーションテーブル)にすることで全容量が使用可能になります。
※GPTはアドレス指定が64bitのため、2の64乗、つまり
 18,446,744,073,709,551,616(約1844京)セクタまで管理可能。
 これを512バイトで計算すると、
 9,444,732,965,739,290,427,392(約94垓)バイトとなります。
 この数値を1,099,511,627,776(1TB)で割ると、8,589,934,592TBになります。
 つまり8ZB(ゼタバイト)まで対応です。


さらに、最近増えているAdvancedFormatにより、1セクタの容量を増やすことで壁を超える方法もあります。
1セクタが4Kバイトという事は、512バイトの8倍ですので壁も8倍の16TBとなる訳です。
ただし、現在のAdvancedFormat製品は、
従来製品との互換性を保つため、OSに対して「1セクタ:512バイト」という信号を送っており、
結局のところMBRでは2TBまでの利用になります。
こういった製品を「エミュレーターデバイス」と呼びます。

つまり現在2TBの壁を超えるにはGPTでの使用が必須ですが
逆に言えば、GPT対応OSでデータ用ドライブとして使うのは簡単です。
※ネットワークドライブにするなどの特殊な方法での回避も可能ですが、
  ここではSATA接続を前提とします。


OS起動用としては、BIOSが「UEFI(Unified Extensible Firmware Interface)」であるか、
メーカーが独自に対応させる必要があり、データ用での使用よりハードルが高くなります。
これは従来のBIOSがGPTでの起動に対応していないためです。

では実際に2TBの壁超えハードディスクを用意したので、データ用や起動用として試してみましょう。



●データ用としての使用は簡単
最初にデータ用の増設ドライブとして使用します。

製品写真02
用意した製品は、
Western Digital:WD30EZRS & WD25EZRS
HITACHI:HDS723030ALA640
の3種類です。
ちなみに、重量はWDの2製品が680g、HDS723030ALA640が690gでした。


データ用としての使い方は、普通に増設ドライブとして接続し、OS(ここではWindows 7)を起動します。

MBRとGPT
コントロールパネルから、管理ツール→コンピュータの管理→ディスクの管理、と進むと、
この画面になります。
「ディスク1」と「ディスク2」が増設した3TB製品です。
「ディスク1」をMBR、「ディスク2」をGPTにしてありますが、
MBRでは約746GBが未割り当てとなっているのが分かります。


GPT選択
なお、初期化されているドライブを増設していると、「ディスクの管理」選択時に
このウインドウが出ます。このままGPTを選べば全容量が使えます。
 ※ここで間違ってMBRにしてしまった場合、GPTに戻す方法は HITACHI 4TB製品
  の記事を参照ください。

未割り当て変更可能
同じMBR設定のOS起動用ドライブ「ディスク0(1TB製品)」の未割り当て部分は問題なく使え、
「新しいシンプルボリューム」が選択できます。


未割り当て変更不可
ところが、「ディスク1」の未割り当て部分は「新しいシンプルボリューム」が選べません。
つまりこの746GBは使えないという事です。



今度はデータ用としてフォーマットした3製品の速度を計測します。
使用PCは、
マザーボード:ASRock 890GX Extreme4
CPU:PhenomII X6 1090T
MEMORY:PC3-10600 2GB×2
OS用ドライブ:Samsung 1TB
ビデオカード:RADEON HD5870

チェック方法は、最初に定番のベンチマーク(今回はCrystalDiskMarkのみ)。
・CrystalDiskMark 3.0

そして実際のソフト起動時間やデータコピー計測。
・LineageII起動時間
※スタートメニューで「スタート」を押してから、タイトル画面が表示されるまでの時間。
OS起動直後と、タイトル表示後ゲームを終了し、すぐ再起動の2回を計測。
・同一ディスク内データコピー
※ファイル数2,399、容量10.6GB


3TB_890GX ・WD30EZRS

5TB_890GX ・WD25EZRS

3TB_HITACHI_890GX ・HDS723030ALA640

  データコピー時間 LineageII起動時間
WD30EZRS 4分35秒 24・14秒
WD25EZRS 4分32秒 24・14秒
HDS723030ALA640 2分57秒 23・14秒

WDの2製品は、なぜか2.5TBのほうが高速でした(G41・P55・X58・785Gなど複数チップセットで確認)。
HDS723030ALA640はプラッタ1枚あたり容量は少ないですが、
SATA3.0対応・7200回転だけあり高速でした。
LineageII起動時間は3製品とも互角と言えそうです。



●起動用ドライブには
 UEFI搭載マザーボードが必要
次はOS起動ドライブにしてみます。

なお、UEFI搭載マザーボードは非常に少なく、
さらにメーカー次第で3TBへのOSインストール方法が異なる模様です。
大手レビューサイトによると、Intel製品ではBIOS内の「BOOT」オプションに
「UEFI BOOT」の項目があり、「Enable」にすれば普通にインストールできるとのこと。

こちらで見た複数メーカーの製品は、
Windows 7 64bitのDVDを挿入した状態でBOOT選択メニューを起動すると、
DVDを入れている光学ドライブ名が2種類表示され、ここで「UEFI:光学ドライブ名」を選択する方式でした。
「SATA:光学ドライブ名」を選ぶとMBRでインストールされ、
2.19TBまでしか使えません(32bit OSのDVDだと「UEFI:光学ドライブ名」が出現しません)。
※OSを入れた後も設定が必要でしたが、メーカーごとに異なるため割愛します。
  使用するマザーボードの説明書をご覧下さい。



3TB起動用
OSインストール作業そのものは通常と変わらないので割愛します。
この様に3TBの起動ドライブ作成に成功しました。
※Windows 7 32bitやUEFI非対応マザーボードでもMBRでOSインストール可能ですが、
  もちろん2.19TBまでしか使えません。




●XPでは「2TBの壁の外」のみ使用可能
最後にWindows XP 32bitではどうなるかチェック。

XPでの容量
データ用・OS起動用、どちらも「一応」使えました。
「ディスク0」がデータ用の3TB、「ディスク1」がOS起動用の2.5TBです。
ただし、容量はご覧の通り。なお、この容量は、
Windows 7でMBR設定時の「未割り当て部分」と同じです。
理由は不明ですが、「XPでは2TBの壁の外側分の容量しか使えない」模様です。
マザーボード次第で認識容量が違う可能性が有るものの、
どちらにしろまともには使えないと考えて良さそうです。

なお、XP 64bitはGPT対応のため、データ用ドライブとしては理論上使用可能ですが、
メーカーがXPを保証しておらず、自己責任となりますのでご注意下さい。



●制約があるもののぜひ壁越えに挑戦を
壁超え製品を見てきた感想としては、
OS起動用としてはOSやマザーボードの条件が厳しいなどハードルが高く、
逆にデータ用なら設定も簡単で速度も十分ですので、
現状ではWindows 7/Vistaでのデータ用ドライブとして使うべきでしょうか。

なお、WD製品はメーカー曰く「シリアルATAのドライバによっては容量を正しく認識しない事がある」ため、
インターフェイスカード(HBA:Host Bus Adapter)を付属するという話がありましたが、
現在発売中の製品には付属していません。ただし、
ASROCK:890GX Extreme4、X58 Extreme3、P55 Extreme4
MSI:785GM-P45、X58 Pro-E
Foxconn:G41MXE
の各マザーボードで動作を確認したところ、いずれも使えました。
※BIOS内の認識は3TBと801.6GBの2パターンがありましたが、
  801.6GB認識のマザーボードでもOS上では問題ありませんでした。


発売直後のため価格が2TB製品と比べ割高、さらに
インターフェイスカード無しでは正常認識しない可能性があるため初心者向けとは言えませんが、
待望の新製品に興味がある方は、ぜひ挑戦してください。




■今回紹介した製品
2.5TB・3TBハードディスク3種類
現在販売中の3TB製品はこちら!

その他記事一覧は こちら



Posted by dospara_review at 17:47Comments(3)TrackBack(0)ハードディスク | マザーボード2010年11月18日
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この記事へのコメント
1. Posted by T   2010年11月20日 07:28
32bit XPに Paragon GPT Loader をインストールした状態でも検証して欲しいです。
2. Posted by えんどう   2011年01月21日 13:33
先日3Tを本店にて購入し、3T起動ディスクに挑戦していますが、挫折しました。。。
当方のMBはMSI
P35 Neo3-EFINITY
なのですが、このMBでは3T起動はむりなのでしょうか>?
3. Posted by Yoshitoimi   2013年01月19日 23:54
280.64GBしか使えないのですが。
WD25 EZRXです。
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