SeagateのST2000DL003はXPの夢を見るか?

概要 ST2000DL003

メーカー名&URL
Seagate:http://www.seagate.com/www/ja-jp/Home/


どうも、最近の寒さに耐えかね人生初の電気羊ではなくて毛布を購入。
予想以上の効果に、家にいる時は布団の上から動かなくなりつつある(酒)です。

「AdvancedFormatなのにXPでも遅くならない」という製品が発売されたとの話を聞き、
同機能搭載製品の紹介記事が好評な当コーナーとしては見過ごせませんので、早速入手してきました。





●SmartAlign採用によりXPでも高速
最近のハードディスクは、セクタサイズが4KB(4096バイト)になった、いわゆるAdvancedFormat製品が増えています。
これらの製品はWindows Vista/7での動作が前提のため、
Windows XPでは遅くなるのはご存知の通り。
※AdvancedFormat製品の紹介記事は こちら! と  こちら!

ところが、先週発売された
Seagate:ST2000DL003
は、メーカー独自の「SmartAlign」技術により、XPでも従来製品同様に使用できるとの事。
同社からは先に同じ機能を持つ2.5インチ製品が発売中ですが、触れる機会が無かったため、本製品でチェックしてみます。

本製品のスペックは、従来の2TB製品「ST32000542AS」同様5900回転ですが、 キャッシュは64MBに倍増。
しかも、本製品はSATA3.0(6Gbps)対応とあり、速度も期待できます。
なお、重さは635gでした。
※パーツの犬のST32000542AS紹介記事は こちら!


ではチェックを開始します。使用PCは以下の通り。
マザーボード:MSI X58A-GD65(SATA3.0/USB3.0拡張カード接続)
CPU:Core i7 950
Memory:PC3-10600 4GB×3(PC3-8500動作)
ビデオカード:GeForce GTS450

チェック方法は、最初に定番のベンチマーク2種類。
・CrystalDiskMark 3.0
・ATTO Disk Benchmark v2.46

次に、データコピー時間を計測。
・同一ディスク内データコピー
※ファイル数2,399、容量10.6GB


XP論理速度 ・Windows XP

Win7速度 ・Windows 7


コピー時間    Win7:4分28秒  XP:4分31秒

ご覧の通り、Read:約150MB/s出ており、「SATA3.0対応」に相応しい結果と言えます。
5900回転という事を考えると予想以上ではないでしょうか。
また、XPとWindows 7の速度が同等なのも確認できました。

なお、LineageIIは12/21の大型アップデートに向けて大量のデータが先行ダウンロード済みのためか、
起動が遅く、初回で30秒・2回目21秒でした。
念のためVelociRaptor「WD6000HLHX」でも確認したところ、
こちらも紹介時よりはるかに遅いことから(初回29秒・2回目20秒)、今回は除外しています。
コピーに関しては、ST32000542ASの記事と比べ、目に見えて高速化している事が分かります。
※新VelociRaptor「WD6000HLHX」の紹介記事は こちら!
※パーツの犬のST32000542AS紹介記事は こちら!



●XPでの使用はフォーマット形式に注意
XPでもWindows 7と同等の速度を発揮した本製品ですが、
実はXP上でのフォーマット方法に条件があります。

パーティション作成選択
通常、コントロールパネル→管理ツール→コンピュータの管理→ディスクの管理
と進んでディスクのパーティション作成・フォーマットする場合、
デフォルト設定は「プライマリパーティション」となります。
ところが、本製品はXP上でプライマリ化すると、他社製品同様に遅くなります。

XPプライマリ速度
プライマリでフォーマットした速度ですが、
512Kと4KのWriteが低下しました(低下率は他社製品より控えめですが)。

拡張パーティション
速度を維持するには「拡張パーティション」を行い、
その後論理ドライブでフォーマットする必要があります。
※先の計測結果は、この方法でフォーマットしています。
ちなみに、他社製品もこの方法で幾分速くなりますが、
それでもWindows 7環境よりは確実に遅いままです。


XP起動用
なお、XPをインストールするとプライマリパーティションになるため、この通り速度が低下します。


ここで、「他のPCで拡張パーティション→論理ドライブでフォーマットして、そのままXPを入れればOKじゃない?」
と考える方もいると思いますが、別PCが必要な事はさておき、
XPはプライマリパーティションでないとインストールが出来ません。

拡張はXPインストール不可
拡張→論理ドライブにインストールを行うと、このメッセージが出て進みません。



●XP用に高速大容量データドライブが欲しい方に
検証の結果、本製品は
・拡張パーティション→論理ドライブ作成で、Win7と同等の速度を発揮
・プライマリパーティションでは速度低下のため、起動用としては難あり
となりました。
XPでもデータ用増設ドライブとしての使用は問題ありません。

なお、本製品は現在10,780円(12/16現在)と、他の2TB製品と比べて割高ですが、SATA3.0対応の高速ドライブで、実際に「ST32000542AS」に差を付けています。
全体的にSATA3.0対応製品は、SATA2製品より少し高速&値段アップですから、本製品も妥当かと思います。
なにより、XP環境で使えるSATA3.0対応の2TB製品というのは他には無いポイントです。

データ用としての利用に限られるものの、XP環境で高速な大容量ドライブが欲しいという方は、
本製品をぜひ選択肢に加えてはいかがでしょうか。




■今回紹介した製品
Seagate:ST2000DL003


その他記事一覧は こちら



Posted by dospara_review at 17:07Comments(7)TrackBack(0)ハードディスク | 耳より情報2010年12月16日
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この記事へのコメント
1. Posted by コーエイ   2010年12月19日 18:39
記事タイトル名自重w
2. Posted by 初心者   2011年06月07日 13:35
ダイナミックディスクのシンプルボリュームとして使用した場合はどうなるのでしょうか?
3. Posted by はdsn   2011年07月11日 15:55
WDの4KBセクタディスクも同様の処置を行った場合と行わなかった場合のベンチ結果を掲載していただけるとうれしいです
4. Posted by 困惑   2011年10月10日 08:34
アロケーションユニットサイズを4096にしてフォーマットしなければならない
というのは都市伝説ですか?
5. Posted by 2TでMBR?   2011年10月28日 15:41
...てのはさておき、基本パーティションで開始セクタをいくつか後ろにずらしたら?拡張パーティション(512B)で速度低下しなくて、速度低下の原因がセクタアラインなんだから、1つ(512B)ずらせばOKなはず。
6. Posted by 既定値でOK   2012年06月01日 22:01
XPのNTFSフォーマットの場合、既定値は4Kとマイクロソフトがいってます。
「既定のクラスターサイズ」「デフォルトのクラスタサイズ」で検索してみてください。
既定値でも4Kでも同じ性能が出てます。
7. Posted by kenさん   2013年02月19日 05:36
プライマリーでもアライメントの調整をすれば、速度の低下は起こさず、使えるんじゃないでんですか?。
あるいは、vista等でフォーマットすれば。
ssdは、XPをインストールした後、アライメント調整のソフトで調整するのが普通じゃないんですか?。
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