GeForceの最新製品「GTX680」を徹底検証

メーカー名&URL
NVIDIA:http://www.nvidia.co.jp/page/home.html
価格:59,800円(2012/3/29現在)
各店舗でも発売中!
現在引越のための掃除中ですが、PCエンジン時代の雑誌などが大量発掘され
思わず読み直してしまい、作業が遅れている(酒)です。
今回は、先週登場した大物ビデオカードである「GeForce GTX680」の紹介、
そしてGeForce GTX580やRADEON HD7970との比較をしていきます。
(以下製品名は略称表記)
●新設計採用の新GeForceハイエンド製品
このGeForce GTX680は、
その名の通りGTX580の後継となる新ビデオカードです。
新アーキテクチャ採用により、3D性能の向上はもちろん、
消費電力の軽減も実現した製品となります。
実際にカードを見ると、補助電源コネクタが6ピンx2となっており、
この面からもGTX580からの消費電力減が期待できそうです。
※詳細スペックは NVIDIAの製品紹介ページをどうぞ!


まずは形状をチェック。
補助電源は6ピンx2は向い合せに搭載されています。
ちなみに、本製品より「GEFORCE」のロゴが変更されました。

出力はDVIx2(赤丸側はDVI-D)、HDMI、DisplayPortで4画面出力に対応。
なお、DisplayPortを使わずとも3画面出力が可能です。
●GTX680のGPU Boost機能について
このGTX680には、「GPU Boost」というGPUコアクロックや
電圧を自動的に変動させる機能が搭載されました。
これは負荷状況に応じて動作クロックを高めて性能もアップするというもので、
思いきり極端に言ってしまえば、ビデオカード版TurboBoostやTurboCoreでしょうか。
ただし、このGPU BoostはCPUと異なり、BIOSやツールで機能は停止できず、
あくまで自動で動作します。
実際の機能については、おおむね以下の通りです。
・GPU Boostとは、3D処理中に消費電力が170Wにならない場合、
クロックを上げて処理能力をアップする機能。
この170WというラインをPower Targetと呼びます。
・2D処理時、もしくは3Dでも負荷が極端に低い場合は、
Boostの必要が無いと判断され機能は働きません。
・GPUの定格は1006MHz、Boostクロックは1058MHzですが、
環境次第では1100MHzを超えることもあります。
・環境とはGPU温度や使用率、さらにシリコンの個体差も影響します。
よく冷えるケースやクーラー搭載なら、よりクロックが上がる可能性あり。

今回のチェックでは1123.5MHzまでのクロックアップを確認しました。
●シングル&SLIで性能と消費電力を計測
では計測を開始します。
使用PCやチェック項目は以下の通りです。
比較対象として、GTX580・HD7970を2枚ずつ用意しました。
マザーボード:ASRock X79 Extreme4
CPU:Core i7 3820
MEMORY:PC3-12800 4GB×4
ハードディスク:WD 1002FAEX
電源:850W(80PLUS)
OS:Windows 7 Ultimate 64bit
・3Dベンチマーク
3DMark 06 :解像度1920×1080、AA x4、Trilinear、Select Tests「SelectALL」
3DMark 11 :Extreme
Heaven Benchmark 2.5(以下Heaven):解像度1920×1080
MHFベンチマーク「大討伐」(以下大討伐):1920×1080
・消費電力(ワットチェッカーで計測)
アイドル時 :OS起動後、3分ほど放置した状態の数値
ビデオ負荷 :3DMark11「GraphicTEST 1(1280×720)」をループして約5分後の数値。
最大負荷 :ビデオ負荷+「Prime95」を同時に実行し、約5分後の数値
・使用ドライバ
GTX580:296.10
GTX680:301.10
HD7970:Catalyst 12.2
・3D性能
3DMark 06 | 3DMark 11 | Heaven | 大討伐 | |
---|---|---|---|---|
GTX580 | 24210 | X2134 | 1444 | 13504 |
GTX680 | 25111 | X3272 | 2036 | 17252 |
HD7970 | 25435 | X2718 | 1743 | 17796 |
GTX580 SLI | 26292 | X4097 | 2745 | 13529 |
GTX680 SLI | 26315 | X6102 | 3471 | 13083 |
HD7970 CF | 26588 | X5236 | 3377 | 34189 |
・消費電力
アイドル時 | ビデオ負荷 | 最大負荷 | |
---|---|---|---|
GTX580 | 95W | 358W | 441W |
GTX680 | 76W | 293W | 369W |
HD7970 | 78(60)W | 331W | 417W |
GTX580 SLI | 136W | 674W | 757W |
GTX680 SLI | 97W | 521W | 548W |
HD7970 CF | 81(65)W | 555W | 606W |
・3D性能グラフ

・消費電力グラフ

●ワットパフォーマンスは極めて優秀
チェックの結果、GTX680はGTX580と比べ、性能大幅強化&消費電力大幅ダウンを達成。
特にSLI時の最大消費電力は約200W以上減っており、
後継製品としての面目躍如という印象です。
なお、GTX680のSLI時に最大負荷がビデオ負荷と27Wしか変わらない点は、
ビデオ負荷の時点ですでにCPUにも高い負荷がかかり消費電力が多くなっていたのか、
それとも最大負荷時にGTX680側にリミッターがかかって電力を下げているのかは不明です。
とはいえ、ハイエンドのSLI構成でも550W程度で収まっているのは要注目でしょう。
RADEON HD7970との比較は、DirectX 9ベースのベンチマークは譲りますが、
DirectX 11ベースのベンチマークでは勝っています。
他にも、GTX680はGeForce推奨ゲームで大差をつけますが、
メモリ帯域の影響により、フルHDを超えるような高解像度高負荷になるほど
HD7970が優位になるという特徴があります。
いずれにせよ、前世代の製品と比べワットパフォーマンスが
大幅に向上したのは魅力大と言えるでしょう。
これからハイエンドビデオカードを購入予定の方は、ぜひ今回の結果を参考にしてください。
※大討伐はSLI非対応のため、GTX580・680共にスコアは伸びません。
さらにGTX680はシングル時よりスコアが下がりました。
ドライバが新しくなる事で改善の余地がありますが、
現在の時点では、SLI設定のまま非対応ゲームをプレイすると、
処理能力低下の可能性がある点にご注意下さい。
■今回紹介した製品
GeForce GTX 680
各店舗でも発売中!
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