ドスパラ - 製品レビュー

●クロック辺りのCPU性能と
　 3D性能を大幅向上した新APU
このA10-7850Kは、「Kaveri（カヴェリ）」と呼ばれる新APUの上位モデルです。
GPUコアがGCN（Graphics Core Next）となり、 RADEON R7同様に「TrueAudio」にも対応。
またFM2+マザーボードとの組み合わせにより（一部製品は除く）、
PCI-Express Gen3.0に対応しているのもポイントです。
　※KaveriはFM2マザーボードに搭載不可。逆にRichlandはFM2+に搭載可能。


左がA10-6800K、右がA10-7850K搭載時の
GPU-Zの画面です（VGAはHD7790）。
A10-6800Kの時はPCI-E Gen2.0ですが、
A10-7850KにするとPCI-E Gen3.0で動作しています。


今回は上位モデルであるA10-7850Kを入手しましたので、
早速チェックを開始しましょう。
なお、本日登場したKaveri製品並びに、
従来のRichland上位モデルである「A10-6800K」の
基本スペックは以下の通りです。

	CPUクロック （定格・Turbo Core）	GPUシェーダ数	GPUクロック	TDP
A10-7850K	3.7GHz、4.0GHz	512	720MHz	95W
A10-7700K	3.4GHz、3.8GHz	384	720MHz	95W
A10-6800K	4.1GHz、4.4GHz	384	844MHz	100W

A10-7850Kの動作クロックはA10-6800Kから400MHz下がっていますが、
このKaveriはクロック辺りの性能を向上しており、
総合性能もアップしているそうです。
そして3D性能ですが、こちらもクロックは下がっていますが、
GPUコアの進化と共にシェーダ数が増えており、やはり性能アップが見込めます。


では性能測定を開始します。
使用PCとチェック内容は以下の通りです。
・使用PC
　マザーボード：ASRosk FM2A88X Extreme4+
　Memory：PC3-12800・PC3-17000 4GBx2
　ハードディスク：HGST HDS721010CLA332
　電源：750W 80PLUS
　OS：Windows 8 Pro 64bit

・ベンチマーク
　CINEBENCH R11.5：CPU測定
　Hyperパイ　　　　　：1M桁（4･1コア測定）
　3DMark無料版　　 ：Fire Strike
　MHFベンチマーク「大討伐」（以下大討伐）：解像度デフォルト（1280x720）
　PSO2体験版Ver2（以下PSO2 v2）：デフォルト（簡易設定3、1280x720、ウインドウ）　
　ファイナルファンタジーXIV： 新生エオルゼア　ベンチマーク　キャラクター編（以下新生FFXIV）
　　　　　　　　　　　　　標準品質デスクトップ、1280x720、ウインドウ
　ドラゴンクエストX　目覚めし五つの種族　オンライン　ベンチマーク（以下DQX）　Ver1.00
　　　　　　　　　　　　　デフォルト（標準品質、1280x720、ウインドウ）


・消費電力（ワットチェッカーで計測）
　アイドル時：OS起動後、3分ほど放置した状態
　負荷時　　：CPU負荷ツール「Prime95」を実行して約5分後の数値

比較対象はA10-6800Kです。
なお、メモリはPC3-12800（DDR3-1600）と、PC3-17000（DDR3-2133）を用意。
ただし、PC3-17000はA10-7850K環境だと
PC3-14900（DDR3-1866）にしないと動作しませんでした。
ですので、それぞれPC3-12800からどれだけ上がるかをご覧ください。


・3D性能（A10-7850Kのカッコ内数値は、A10-6800Kからの伸び率）

	Hyperパイ （4･1コア）	CINE BENCH	3DMark Fire Strike	大討伐	PSO2 v2	新生FFXIV	DQX
A10-7850K PC3-12800	23.146秒 18.829秒	3.53	1200 （34.4%）	4438 （6%）	4764 （22.5%）	5687 （8.5%）	6713 （34.7%）
A10-7850K PC3-14900	22.273秒 17.878秒	3.61	1266	4907	6039	6320	6956
A10-6800K PC3-12800	26.426秒 22.184秒	3.57	893	4186	3890	5243	4982
A10-6800K PC3-17000	25.810秒 21.840秒	3.55	1064	5047	5694	6375	5401

・消費電力

	アイドル	負荷
A10-7850K	49W	143W
A10-6800K	45W	151W

・3D性能グラフ






●3D性能が最大34%向上
　 消費電力も微減
結果はご覧の通りです。
CPU性能は、動作クロックがA10-6800Kから400MHz下がったにもかかわらず、
CINEBENCHでほぼ互角、円周率計算は勝っており、
クロック辺りの性能が大きく向上していることを実証しました。
実クロックが低いため総合性能は微増となりますが、
消費電力も少し減っているので、より使いやすくなった印象です。

そして3D性能は、3DMarkやDQXで34%以上、PSO2 v2が22%と大幅アップ。
大討伐や新生FFXIVも上がっており、極めて良好です。
もちろん、高クロックメモリ使用時はさらに性能が上がっています。

感想として、APUの強みであるオンボードVGA性能が向上したことで、
より完成度が高まった印象を受けます。
低負荷のゲームがより快適にプレイ可能ですので、
ブラウザゲームやネットワークRPGを手軽に楽しみたい方は、
ぜひ新たなAPUをお選びください。


ただし、一部FM2+マザーボードの場合、
UEFI（BIOS）をKaveri対応バージョンに
更新しておかないと、起動しない可能性があります。
すでにマザーボードを購入済みでRichlandから買い替え予定の方は、
予めUEFIを更新してください。
また、ドライバも最新版の13.250.26以降が必要です。
しかも、13.250.26の場合、非対応と対応版が混在していますので、
日付けが新しい（なるべく今年の）ドライバをご用意ください。

なお、当社で販売中のFM2+マザーボードは、
ASRock・ASUS・MSI製品の起動を確認済みですが、
あくまで起動確認ですので、各メーカーの製品ページを参照のうえ、
バージョン確認と更新は忘れずにお願いします。
　※UEFIの更新は自己責任となりますのでご注意ください。




■今回紹介した製品
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