Haswell-E版新Core i7速報レビュー!

パッケージ Core i7 5960X・i7 5930K・i7 5820K

メーカー名&URL
Intel:http://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/homepage.html
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本日Intelの最新プラットフォームである
「Haswell-E」が発表されました。
今回は、新登場した3種類のCPUを速報レビューします。





●DDR4対応の新プラットフォーム
  Haswell-Eが登場
このHaswell-Eは、LGA2011版Core i7の最新製品です。
製品ラインナップは上位から順にi7 5960X・i7 5930K・i7 5820Kの3種類となります。
製造プロセスは従来のIvy Bridge-E(以下Ive-E)と同じ22nmですが、
コアの進化やコア数・キャッシュ容量の増加により性能向上が図られています。

パッケージ2
製品パッケージはこちらです。
いずれもCPUクーラーは付属しません。

各CPUのスペックは以下の通りです。
  CPUクロック
(定格・Turbo Boost)
CPUコア
スレッド数
L3キャッシュ PCI-Express 3.0
レーン数
TDP
i7 5960X 3.0GHz・3.5GHz 8・16 20MB 40 140W
i7 5930K 3.5GHz・3.7GHz 6・12 15MB 40 140W
i7 5820K 3.3GHz・3.6GHz 6・12 15MB 28 140W
i7 4960X 3.6GHz・4.0GHz 6・12 15MB 40 130W
i7 4930K 3.4GHz・3.9GHz 6・12 12MB 40 130W
i7 4820K 3.7GHz・3.9GHz 4・8 10MB 40 130W

Haswell-E CPUのポイントは、上位のi7 5960Xが8コア16スレッドになった事でしょう。
動作クロックは低下していますが、L3キャッシュが増加しており、
マルチスレッドを要求するアプリケーションで絶大な効果が期待できます。

また、下位モデルのi7 5820Kもコアが増え、6コア12スレッドとなりました。
L3キャッシュも1つ上のi7 5930Kと同じ15MBです。
i7 5930Kとはクロックしか違いが無い様に見えますが、
PCI-Expressのレーン数を減らすという差別化がされており、
i7 5960Xとi7 5930Kのレーン数40に対して、i7 5820Kのレーン数は28になります。
そのため、i7 5820Kの場合、VGAが1枚ではx16のままですが、
CrossFireやSLIで2枚にすると、x16・x8となります。
i7 5930Kやi7 5960Xはx16・x16で2枚の性能をフルに発揮可能です。
VGAの複数挿しを考えている方は、i7 5930Kやi7 5960Xを選んだ方が良いでしょう。

X99マザーボード
Haswell-Eはチップセットも新たにX99となりました。
DDR4メモリに対応したほか、
SATA 3.0やUSB3.0のポート数が増え、使い勝手が向上しました。

今回用意したマザーボードは、ASRock:X99 Extreme4です。
ASRockのX99マザーボードとしてはスタンダードな製品ですが、
ウルトラM.2ソケットやVGA3枚挿しに対応、メモリスロットも8本あります。
(PCI-Express x16が4本ありますが、1本はチップセット制御のGen2.0 x4です)

ウルトラM.2については、Z97搭載のソケットを使うとVGA帯域が半減しましたが、
X99搭載のスロットでは、VGA2枚までその心配が無く
最速SSDと高性能VGAを両立できる点も魅力です。
 ※ウルトラM.2の記事はこちら!

X99ソケット1 X99ソケット2
CPUソケットですが、X99のLGA-2011はV3となります。
ピン数はX79と同じですが形状が少し違うため互換性はありません。
カバーを開ける場合は、左のバー(赤枠)を先に外してください。
なお、CPUクーラーは従来のLGA2011対応製品が使えますが、
TDPが増加しているので古い製品を流用する場合はご注意を。

X79 X99
CPU角にある目印の取付け穴については、左写真のX79(ASUS P9X79 DELUXE)は左上でしたが、
X99は右下に来るように取付けます。

メモリ形状
DDR4メモリの登場も今回の目玉と言えるでしょう。
DDR3の登場が2007年ですので、7年ぶりの新メモリとなります。
ピン数はDDR3の240に対し、288に増加しました。
また、外見の特徴として、切り欠きの位置がDDR3(写真下)より
中央寄りになっているほか、端子が一直線ではなく、端の方が少し狭くなっています。
スペックとしては、DDR3より省電力の1.2V駆動となり、周波数も向上。
クアッドチャネルに対応しているので、DDR4-2133(PC4-17000)メモリを
4枚挿しにすると、転送速度は68GB/sとなります。
 ※Z97とDDR3-1600(PC3-12800)デュアルチャネルの場合:25.6GB/s
   X79とDDR3-1866クアッドチャネルの場合:59.7GB/s



では性能測定を開始しましょう。
PC構成とチェック内容は以下の通りです。
比較対象はIvy-Eの記事より、
Ivy-EとSandy Bridge-E(以下Sandy-E)の結果を参考として流用します。
なお、今回使用の電源はIvy-E計測時と同じ、
VGAはSandy-E・Ivy-Eと同じ製品となります。
・使用PC
 メモリ     :DDR4 2133 PC3-17000 4GBx8
 SSD       :ADATA ASX900S3-128GM-C
 VGA      :Palit GeForce GTX760 JetStream
 電源      :750W 80PLUS
 OS       :Windows 8.1 Pro 64bit
 CPUクーラー:DEEPCOOL LUCIFER

・CPUベンチマーク
 CINEBENCH R11.5:CPU測定
 Hyperパイ     :1M桁(1コア測定)

・3Dベンチマーク
 3DMark無料版   :Fire Strike
 MHFベンチマーク「大討伐」(以下大討伐):解像度1920x1080
 PSO2体験版Ver2(以下PSO2 v2):簡易設定5、1920x1080、フルスクリーン
 ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編(以下新生FFXIV)
             最高品質、1920x1080、フルスクリーン
 ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン ベンチマーク(以下DQX) Ver1.00
             最高品質、1980x1080、フルスクリーン

・消費電力(ワットチェッカーで計測)&温度(A-Tuningで計測)
 アイドル    :OS起動後、5分ほど放置した状態の数値
 CPU負荷   :CPU負荷ツール「Prime95」を実行し、約10分後の数値
 最大負荷    :「Prime95」と大討伐を同時に実行し、1周終わるまでの最高値


・CPU性能
  CINEBENCH Hyperパイ
(少ない方が高速)
i7 5960X 14.38 10.578秒
i7 5930K 11.80 10.031秒
i7 5820K 11.16 10.344秒
参考:i7 4960X 11.16 9.389秒
参考:i7 4930K 10.81 9.626秒
参考:i7 4820K 7.51 9.813秒
参考:i7 3960X 10.46 9.673秒
参考:i7 3930K 10.05 10.203秒
参考:i7 3820 7.09 10.110秒

・3D性能
  3DMark
Fire Strike
大討伐 PSO2 v2 新生FFXIV DQX
i7 5960X 6184 18107 33058 10162 12041
i7 5930K 6170 16811 33302 10161 11813
i7 5820K 6147 16816 33113 10160 11680
参考:i7 4960X 9696
参考:i7 4930K 9707
参考:i7 4820K 9710
参考:i7 3930K 9709
参考:i7 3820 9691

・消費電力
  アイドル CPU負荷 最大負荷
i7 5960X 58W・36℃ 204W 363W・58℃
i7 5930K 57W・33℃ 192W 351W・56℃
i7 5820K 58W・35℃ 179W 327W・56℃
参考:i7 4960X 84W 226W
参考:i7 4930K 81W 219W
参考:i7 4820K 80W 190W
参考:i7 3960X 85W 263W
参考:i7 3930K 84W 252W
参考:i7 3820 84W 206W





●ワットパフォーマンスが大幅向上
  特にSandy-Eからの進化は驚異的
結果はご覧の通りです。CPUが影響しないゲーム系ベンチマークは
さほど変わりませんが、CINEBENCHにおいては、
下位モデルのi7 5820Kが前モデルの最上位であるi7 4960Xと同等のスコアを出しており、
8コアのi7 5960Xに至っては圧倒的です。

今回使用したCPUの個体が優秀な可能性がありますが TDPが上がったにもかかわらず消費電力は減り、
ワットパフォーマンスがさらに優秀になりました。
そこで、実際のワットパフォーマンスを確認するため、
CINEBENCHのスコアをCPU負荷時のワット数で割り、
その数値を比較してみました。
 ※CINEBENCH時の実消費電力はもっと低いのですが、
   Ivy-E・Sandy-E時の計測が無いためCPU負荷の数値を使用。


  1ワット辺りのスコア Ivy-Eからの上昇率 Sandy-Eからの上昇率
i7 5960X 0.07039 42.5% 76.9%
参考:i7 4960X 0.04938 24.1%
参考:i7 3960X 0.03977
i7 5930K 0.06146 24.5% 54.1%
参考:i7 4930K 0.04936 23.7%
参考:i7 3930K 0.03988
i7 5820K 0.06235 57.7% 81.1%
参考:i7 4820K 0.03953 14.8%
参考:i7 3820 0.03442

Sandy-E時代から6コアであるミドルモデルのi7 5930Kでは、
Ivy-Eからのワット辺りのスコア上昇率は約24.5%、Sandy-Eからは54%です。
性能向上と消費電力減のダブル効果により、
ワットパフォーマンスが良い感じになりました。
そして、コア数が増えた2製品はさらに効果が大きく、
Sandy-Eから80%前後のアップを実現。
Sandy-Eを使ってレンダリングなどの重い処理をしている方は、
Haswell-Eにする事で作業効率が劇的向上が見込めます。

このHaswell-Eは、ビデオカード1枚でのゲーム用PCとしては
Ivy-EやメインストリームのHaswell Refresh・Devil's Canyonを
凌駕する訳ではありません。
ですが、ウルトラM.2用の超高速SSDも一緒に使う、
あるいはCrossfire・SLIという環境においては、
最新プラットフォームらしい強さを発揮してくれます。
また、CPU性能を重視するレンダリングや動画の編集は、先述の様に圧倒的です。
新プラットフォームという事でマザーボードやメモリも
新調の必要があり、決して買い求めやすい価格ではありませんが、
とにかく処理速度を求める人にとって、Haswell-Eは
大きな価値がある製品と言えるのではないでしょうか。




■今回紹介した製品
Intel Haswell-E
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その他記事一覧は こちら



Posted by dospara_review at 01:00Comments(0)TrackBack(0)CPU | 速報2014年08月30日
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